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ギリシャやアイルランドの財政危機に学ぶ

ギリシャやアイルランドの財政危機に学ぶ

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(日本経済新聞10/12/21から引用)財政難でユーロの危機を招いたギリシャとアイルランドが、増税や年金の削減に踏み込む構造改革に苦しんでいる。
(中略)財政再建策の一環で、ギリシャでは年金の支給開始年齢が10年近く引き上げられる。職種などは異なるが、ギリシャの中高年の人生設計は暗転。
(中略)ギリシャで日本の消費税にあたる付加価値税は、従来の19%から段階的に23%まで引き上げられた。
(中略)2009年に巨額の財政赤字が発覚したギリシャは国債の利回りが急上昇し、欧州連合(EU)やIMFから支援を仰いだ。代わりに急速な財政再建を約束。
(中略)アイルランドはバブル崩壊で銀行の大規模な救済を迫られ、財政赤字が急増した。(中略)21%の付加価値税を23%に上げるほか、各種の増税に着手。児童手当や年金支給額を減らす。
英国は財政健全化の柱として、児童手当に所得制限を導入。大学の授業料引き上げには学生らがロンドンで大規模なデモを実行した。
それでも取り組みをやめようとしないのは、経済政策の迷走を背景に1992年のポンド急落に揺れた経験から、市場の怖さを痛感しているためとみられる。
(中略)1997-98年のアジア通貨危機で外貨が流出した韓国は通貨ウォンの急落に加えて、30大財閥の半分以上を破綻・解体するなど未曾有の混乱を経験した。
(中略)韓国の危機の本質は銀行の経営悪化に伴う対外的な信用の低下だった。(中略)
政府は破綻を免れた金融機関に巨額の公的資金を投入。不良債権処理を急ぐとともに、存続不可能な企業は市場からの退出を促した。(以下略)

少し昔の記事ですが、今なおEU圏は債務問題に揺れています。発端はギリシャでしたが、スペインやイタリアも財政再建を迫られています。

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なぜEUが債務問題に躍起になっているかといえば、加盟国同士の経済振興のために、共通の通貨であるユーロを使っているからです。

イギリスはユーロを使っていませんが、こうした財政問題を見越していたのでしょうか。

共通の通貨を複数国で使えば、お互いに自由に行き来して、買い物がしやすくなります。レートの換算を考えなくてよいですし、一つの通貨をいろんな国で使えるのはたしかに便利です。

ただし、もし加盟国に財政問題が持ち上がると厄介です。その通貨自体の信頼が失われてしまいます。すると、財政に問題がない国までとばっちりを受けてしまうというわけです。

結局、EUはギリシャ国債の半分を管理デフォルトにして国債を保有する各国の金融機関に債務免除を求めたり、銀行の自己資本比率の規制を厳しくしたりする案を検討しています。

こうしてみると、共通通貨を運営するのもなかなか難しいですね。


ギリシャの財政再建策

さて、ギリシャはEUやIMFに支援してもらう代わりに、厳しい財政立て直しを迫られました。

まずは公的年金の支給開始年齢引き上げです。以前は50代半ばから現役時代の給料の8割ももらえるという、なんとも寛大と言うかどんぶり勘定の年金制度だったそうです。

もちろん財源があれば願ってもない年金制度ですが、よほど年金保険料を高くしないと本来は永続できないはずです。それにまだ働ける労働者が働く意欲をなくしてしまうでしょう。

まあその年金の支給開始年齢が10年近く遅れます。では働ける人は働けばよいじゃないかとも思いますが、ギリシャは社会不安が広がって、麻薬密売や売春などの犯罪が増えているそうです。

ギリシャは有名な観光地ですから、治安が悪くなれば観光客が激減するでしょう。そうなれば経済や雇用も失われてしまい、働くのも大変というわけです。

そう考えると、やはり財政は破綻してしまう前に再建しないといけないと思いました。


日本の消費税増税

付加価値税も引き上げられました。23%というとかなり高いようですが、日本も財政再建のためにはこれくらいの税率にしないといけないでしょう。

日本の場合、まだ財政破綻はしていませんから、今消費税率を上げても、一方で社会保障を整備して、公的年金や医療保険、福祉といった制度を安心できるものにつくりかえることができます。

そうすれば、消費税率を上げても、一方で国民の生活への安心が増しますから、景気を大きく冷え込ませずにすむと思います。

しかし、ギリシャのようになってしまえば、社会保障を安心できるものに整備し直すということはもはやできないでしょう。それなのに消費税を上げれば、景気を大きく冷え込ませるのは間違い無いです。

というわけで、財政再建のために日本は消費税を中心とした増税を早くすべきだと思います。もちろん、社会保障制度を持続可能なものにして、歳出削減も行います。

ギリシャを日本は他山の石とすべきでしょう。


アイルランド

アイルランド経済には詳しくありませんが、最近まで金融センターとしても頑張っていると思っていました。それだけにまさかこうなるとは驚きです。

ウィキペディアによると、外国資本と不動産価格上昇を頼みにしていた同国経済でしたが、ついに不動産価格が下がり始めてバブルがはじけてしまったようです。日本のバブルを思い出しました。

アイルランドの銀行もおそらく、融資先の企業などに不動産を担保にしてお金を貸していたはずです。ところがバブルがはじけてしまえば、お金を借りていた企業は倒産や経営不振になってお金を返せなくなるでしょう。

おまけに担保の不動産価値も下落してしまえば、銀行は不良債権を抱えることになります。どこの国も同じですねー。

そのアイルランドも厳しい財政運営を迫られています。増税、年金支給額削減、大学授業料値上げなどです。

児童手当も減らしています。一方でギリシャやアイルランドよりもはるかに巨額の借金を抱えている某国では、所得制限もなしに子ども手当を支給していました。財源もないのに。


イギリス

英国は日本に比べればそんなに財政悪化していませんが、早めに手を打っています。偉いです。

ただ、大学の授業料値上げについては大規模なデモが日本でもニュースで流れました。

ポンド危機についてもあまり知りませんでした。投資家のジョージ・ソロスが国を相手に勝ったとは聞いていましたが。

そこでまたまたウィキペディアを見ましたら、ポンドが過大評価されていたのにジョージ・ソロスが目を付け、ポンドに大量の売りを浴びせたらしいです。

その結果ポンドは急落したとのことです。

少なくとも、財政が極端に悪化すると、たとえばヘッジファンドなどの投機筋がそこに目をつけて、その国の国債に先物の大量の売り注文を出すようなことはありえます。

すると、一気に市場が動いてその国の財政がいよいよ追い詰められる可能性もあります。

市場の怖さを認識しているイギリスに比べると、どうも日本政府はのほほんとし過ぎな感じがしますね。投機筋も含めて市場は、自分たちの利益だけを考えて行動します。

はっきりいえば、海外投資家は「日本がどうなろうが知ったことじゃない」と考えるでしょう。市場の怖さを日本政府はわかっているのでしょうか。

余談ですが、日本では国会議員の公用のパソコンがサイバーテロにあって、全議員のパスワードが盗まれたそうです。この国の危機管理はどうなっているのでしょうか。

それはともかく、日本もイギリスを見習って財政再建に取り組むべきではないでしょうか。弱点があれば、そこを狙ってくる者がいるのです。


韓国の改革断行

アジア通貨危機でもアジア各国の通貨が大きく値を下げました。韓国でもそれまで流入していた外貨が流出したわけです。

ただ、銀行への公的資金を投入、不良債権処理を急いだのは英断ですね。決断の遅れから失われた10年を招いた日本とは大違いです。といいますが、日本を反面教師にしたのかもしれません。

欧州債務危機でも、銀行への公的資金投入はためらわれたそうです。国民が、「なぜ銀行ばかり優遇するんだ」と反発するからです。

ただ、銀行が破綻すれば、経済や金融全体が混乱してしまいますから、公的資金投入はやむをえないでしょう。

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