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為替介入とは

為替介入とは

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(読売新聞10/9/16から引用)
政府・日本銀行が実施した為替介入の目的や効果などについてまとめた。

為替介入の狙いは:通貨の交換比率である為替レートは通常、外国為替市場で売買されている通貨の需要と供給で決まる。

しかし、投機的な売買などにより急激に為替相場が変動すると、日本経済や企業業績に大きな影響が出かねない。こうした影響を食い止めるため、人為的に操作し、過度な変動を抑制するのが目的だ。

為替介入の方法は:財務省がタイミングや金額を決め、日銀が財務相の代理人として実務を行う。円安に誘導する際は、政府が政府短期証券(FB)を発行し、市場から円を調達して民間金融機関が持つドルを買い入れる。

ドルの対価として円が支払われ、市場に円が放出されることになる。政府・日銀が市場で円の売り手となることで円の相対的な価値を下げるわけだ。

過去の実績は:1ドル=79円75銭の史上最高値まで円高が進んだ1995年は介入によって、4月の最高値から約半年後に1ドル=100円まで円高が後退した。

2003年から04年の円高局面でも1ドル=110円台に上昇し、円売り・ドル買い介入が行われたが、円高に歯止めがかからず、04年3月に103円台まで円高が進んだ。

逆に98年は円買い・ドル売り介入が行われた。

今回の特徴は:95年は日米欧による協調介入で、介入に要した資金は約5億円だった。一方、03-04年は日本の単独介入で、03年度の資金は約33兆円に上った。

非不胎化介入とは:胎化とは母親が子どもを妊娠する意味だ。介入によって放出された資金が市場に残り、市場が資金を抱いたままの状態を指す。

通常の介入では、金利低下など金融政策への影響を防ぐため、日銀は市場に放出した資金を公開市場操作によって回収し、胎化させないのが一般的だ。

今回は、市場に放出した資金をあえて回収しないため、不胎化しないという意味で、非不胎化介入と呼ばれる。

非不胎化の狙いは:今回の円高は日米の金利差が縮小したことが大きな要因だ。日本の金利を低下させ、日米の金利差を広げるため、為替介入と同時に日銀が金融緩和を実施すれば、効果が高まるとの指摘は多い。

非不胎化介入は、市場に資金を放置したままのため金融緩和効果があるとされ、こうした効果を狙っている。(引用終わり)

為替介入についての解説記事です。10年9月15日に介入が行われたため、それに合わせて掲載されました。

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円高が経済に及ぼす影響

まず、急激に為替相場が変動すると、日本経済などに悪影響が出かねないという点について。

円高になると、輸出によって日本企業が得た収益が目減りしてしまいます。そのため、企業業績に悪影響が出てしまうのです。

日本政府としてはそれを防ぐために、今回は円売り・ドル買いの介入をしたのです。円安を是正するときには、逆に円を買い、ドルを売ります。

次に、なぜ今回はこんなに円高になったのでしょうか。主な原因としては、アメリカは景気が悪いですし、ヨーロッパ諸国もギリシャの国債危機に端を発した金融不安にあることがあります。

そのため、これらの国は自国経済のために、ドルやユーロが安いことを希望しているのです。

その反動で、円が高くなっています。日本は900兆円を超える債務残高を抱え、先進国の中で最も財政が悪化しています。それでも円が買われているのは、おそらく消費税などにより税収増が見込めるので、財政については今のところ心配する必要はない、と思われているからでしょう。

こうしたわけで今回の為替介入は、日本のみが行う単独介入になりました。そのため、円高を完全に食い止めるだけの効果はないだろうという見方が多いです。


非不胎化介入

さて、物は買う人が多くなれば値段が上がり、売る人が多くなれば下がります。それと同じように、通貨も売る人が多くなれば値段が下がります。

そこで、財務省が為替介入の実施を決めて、政府が政府短期証券を発行し、それによって得た資金で日銀が銀行などの持つドルを買い取ります。

ちなみに政府短期証券とは、政府の発行する国債の一種です。

こうしてドルを売れば、その対価として払われた円が市場に放出されます。その結果、ドルが上がり、円が下がるというわけです。

次に、過去の実績です。95年は79円75銭まで円が上がったんですねー。このときは日米欧の協調介入だったので、効果が高かったのでしょう。今回は円高を望んでいないのが日本だけなので、単独介入になりました。

介入資金もまだ03年度の33兆円に比べれば少ないです。ただ、さらに円高が進めば、追加の介入がされるかもしれません。

次に非不胎化介入ですが、なんともややこしい言葉ですね。もうちょっとわかりやすい言葉はないのかと思いますが、妙な専門用語が出てくるのは学問の世界では仕方ないのかもしれません。

通常は介入によって市場に放出した資金を回収する(不胎化)のですが、今回は金融緩和の目的のために、あえて資金を回収しないということのようです。だから非不胎化というわけです。


日米の金利差

次に、今回の円高の原因について。引用記事には日米の金利差が縮小したのが主な原因と書かれています。ご存知のように日本の政策金利はかなり低く、アメリカはもっと高いです。それが、アメリカの金利が下がったことで、金利差が縮小しました。

アメリカの金利が高ければ高いほど、もらえる金利だけを考えればお得です。そのため、ドルが買われる原因となります。

しかし、金利が下がれば、魅力が減ってドルが売られ、円高になってしまいます。

そこで、日銀が金融緩和を行えば、円の金利が下がって、円高をさらに食い止められるのではないかというわけです。実際、10月になって日銀は政策金利を下げました。

さて、この記事を書いている時点で、円は82円台です。今後為替がどう動くかはわかりませんが、さらに円高が進めば、さらに円売り介入をするのではないかと思います。

円が買われるのは円が信頼されている証拠ですから、一概に悪いとも言えないです。しかし、輸出企業が苦戦している以上、やはり過度の円高はよくないと政府・日銀は考えるでしょう。

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