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政府・日銀の円売り介入に対する識者の意見

政府・日銀の円売り介入に対する識者の意見

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(読売新聞10/9/16から引用)
みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミスト:政府・日銀が1ドル=82円台に入った時点で市場介入に踏み切ったのは効果的だった。

市場では80円突破で介入に動くとの見方が多かっただけに意外感があった。

じわじわと円高が進む局面は歯止めがかからない怖さがあった。それだけに単独介入であっても、当局が円高阻止へ明確な姿勢を示した意義は大きい。

これで一気に90円台まで戻るとは思えない。しかし、介入で当局として82演題に人工的な節目をつくったことで、過度な円高を抑制する効果は十分に期待できる。

大和総研の亀岡裕次チーフ為替ストラテジスト:今回の為替介入は市場にとってはサプライズであり、政府・日銀の存在感を示したという点では評価できる。

「今後も介入があり得る」という姿勢を見せたことで、投機筋への抑止力にもなる。

ただ、日本だけの単独介入では効果は限定的だ。米国や欧州は自国の通貨安を容認しているため協調介入は難しく、円高に歯止めがかかるかどうかは不透明だ。

現在の円高は、米国の景気減速や欧州の金融不安が主因だ。これら懸念材料が改善されないと再び円高が加速する可能性もある。年内は1ドル=82から90円で推移すると予想する。(引用終り)

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政府と日本銀行が9月15日に行った円売りドル買い介入についての有識者のコメントです。

まず唐鎌さんから。確かに82円というタイミングは思ったよりも早かったですね。野田財務大臣もしばらくは推移を見守る旨のコメントでしたから。

また、これまでの円の最高値は79円台でしたし、80円を超えるというきりのよいところを一つの介入のタイミングにすると多くの人が読んでいたのでしょう。

しかし、こういった為替介入はタイミングは早めのほうがよいかもしれません。あまりに高くなってしまうと、買いが買いを呼んでさらに値上がりしてしまうかもしれないからです。

次に、介入の意義について。政府や日銀は円高を放っておかない、必要なら対策をするという姿勢を示したことは、意義があったと思います。

もちろん単独介入なので、唐鎌さんのおっしゃるようにこれだけで円高を阻止する効果はないでしょう。しかし、姿勢を示すということだけで意味があったはずです。

ところでこの引用記事には「投機筋」という言葉が使われています。たいていこの言葉は悪いニュアンスで使われます。


買いヘッジの方法

投機筋とは具体的に言えば、FXなどを手掛ける個人投資家や、ヘッジファンドなどでしょう。

ファンドといえば、著名投資家のジョージ・ソロス氏の率いるファンドが国相手に為替相場で買ったことがありました。すごいですね。

しかし、円高が日本経済にとってマイナスなのはわかりますが、投機筋=悪なのでしょうか。自分も個人投資家なだけに複雑な気分です。

市場経済においては、為替を売買して利益を上げることも自然な行為なはずです。もちろん生活に欠かせない原油が投機筋によって値が釣り上げられてしまったりするのは困ります。しかし、行き過ぎでない限り、投機は別に悪いことではないでしょう。

ちなみに、円が高くなっては困る場合、FXや外貨預金で円を買っておけば(あるいはドルなどを売っておけば)、理論上は円の値上がり益と、円高によるマイナスをある程度相殺することができます。

つまり、円買いによるヘッジです。もっとも、多くの人がこれをやれば、さらに円が上がってしまうかもしれません。ただ、あまり上がると、例えばキャピタルゲイン目的で円を買っている投資家が利益確定の売りを始めます。

そうすると、円の上昇は止まるかもしれません。

つまり、私の申し上げたいのは、市場には利益目的で円を買う人もいれば、為替ヘッジ目的で買う人もいて、さらに利益確定のために売る人もいるということです。

なんでも市場に任せるのがよいとは言いませんが、投機筋がすべて悪いとは言えないのではないでしょうか(参考:投資家は社会の役に立っていないか)。


亀岡さん

次に亀岡さんです。亀岡さんも政府・日銀の存在感を示せたという点で評価できるとおっしゃっています。確かに政府・日銀がなにもしそうにない、ということになれば、さらに円高が進んでしまいそうです。

それが投機筋への抑止力という意味です。

次に単独介入について。アメリカやヨーロッパは自国の経済のために、ドルやユーロが安くてよいと思っています。そのため、日本以外に円売り介入をしてくれるところがなく、協調介入になりませんでした。

次に、米国の景気減速と欧州の金融不安について。オバマ大統領はイラクからの米軍を一応撤退ということにして、これまで戦費につぎ込んできたお金を経済活性化に回す意向のようです。

オバマさんも支持率などで苦戦されていますが、経済対策に取り組んでいただければ、アメリカの景気も上向くかもしれません。

ヨーロッパはギリシャの国債危機などがありました。最近では銀行の自己資本比率規制を厳しくしたりして、金融の安定化策が実施されています。

要は、他国の経済が安定するまで日本は円高のままで我慢するしかないということでしょう。

最後に亀岡さんの為替レートの予想ですが、82円辺りで上げ止まるという予想ですね。もちろんそうなればよいのですが、もし70円台に突入してしまうと、株価は下がるでしょうね。

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