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ゼロ金利政策とは

ゼロ金利政策とは

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(読売新聞10/10/7から引用)

ゼロ金利について どういった金利をゼロにするのか:金融機関は、毎日の取引で余ったり足りなくなったりする資金を市場で融通し合っているが、その場で日銀が資金を出し入れして、金利を事実上ゼロにしようというものだ。
(中略)金融機関が持っている国債や手形を日銀が買って代金を支払えば、世の中に出回るお金が増え、金利が下がる。
なぜ導入するのか:米国などの海外経済の調子が思ったよりも悪く、円高も進んでいるため、日銀は、日本経済の回復力が弱いと考えたためだ。
利点は:景気回復を後押しする効果がある。ゼロ金利で資金を得た金融機関の貸出金利は0%に近づくので、企業はお金が借りやすくなり、新たに工場を立てたりするかもしれない。住宅ローンの金利も下がり、マイホームを購入する人が増えることも期待できる。
(中略)欠点は:預金金利も低下するから、受け取る利子収入が減って、個人消費を冷え込ませる可能性がある。また、低金利のお金が増えすぎると、投資意欲が高まり、バブルを起こしてしまう危険もある。
また、金利が0%になると、金融機関が市場で資金を貸したり借りたりする意欲を失ってしまう。このため、日銀も「年0~0.1%」と幅を持たせて(いる)。
過去にゼロ金利政策はあるのか:(中略)世界では米国やスイスが採用した。
ほんとうに効果があるのか:日本経済は物価が下がり続けるデフレに陥っており、借金をすれば、あとで返済する際の負担は重くなり、実質金利はプラスだ。
このためゼロ金利にしても企業への貸出は思ったほど増えないかもしれない。

(引用終わり)
ゼロ金利政策は最近では06年7月から実施されましたが、その後福井日銀総裁が中止しました。

そして今回、また復活したのです。まず、金融機関の手形を買い取るという点について。

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手形の買取

手形というとほとんどは二者間の約束手形です。市中銀行などはその手形の割引のために、手形を持っている債権者から買い取った手形を保有しています。

それを、日銀が再割引ということをします。そうすれば、市中銀行に日銀からお金が流れるのです。

次に、ゼロ金利政策がとられた理由について。米国などの景気が上向かないと、日本からの輸出も伸びません。また、円高も日本以外のアメリカやユーロ圏の国などは自国通貨安を望んでいるので、1ドル=80円ぎりぎりのところまで進んでしまいました。

こうなると日本企業が輸出で得られるお金が目減りしてしまうので、経済に悪影響が出ます。


効果は

次に効果について。今回の金利引き下げは、無担保コール金利(翌日物)というのを下げます。これは、銀行などの金融機関が互いに資金を融通しあう市場においての、短期金利です。

これが低くなれば、銀行などは低い金利で資金を調達できます。そのため、銀行が法人や個人に融資する際の金利も下がるのです。

その結果、記事にあるように企業が融資を受けたお金で設備投資等をしたり、個人が低い金利で住宅ローンを借りて、家を建てたりしやすくなります。


バブルの危険も

そうすれば、設備投資なら設備のメーカーや販売店、施工業者などの仕事が増えますし、消費者が家を建てれば、住宅メーカーだけでなく銀行、施工業者、家具や家電などの販売業者などにも経済効果があるでしょう。

このように、金利が下がれば経済活動が活発になり、景気回復につながると期待されているのです。

一方その欠点について。この点は詳しくないので、とても勉強になりました。まず第一の利子収入が減るというのは、銀行預金や郵便貯金の利子も下がるので当然です。

とはいえ、もともと普通預金の利率など雀の涙以下ですから、大して影響はないと思います。

第二のバブルの危険について。日本の80年代後半のバブル崩壊は、記憶に新しいところです。それまではジュリアナ東京にボディコンを着たお姉さんが集まって踊っていたりしましたが、それが一気に崩壊したのです。

バブルは85年のプラザ合意で円高になり、不況になるのを防ぐために日銀が公定歩合を下げたのがきっかけでした。

ちなみに公定歩合とは、日銀が市中銀行(民間の銀行など)にお金を貸す際の利率です。現在では無担保コール金利翌日物が実質的な政策金利になっています。

この公定歩合を下げたために、銀行が金余り状態になり、それを低利でどんどん企業や個人に貸し付けました。債権を回収できるなら、銀行などはどんどん貸した方がもうかるからです。


バブル崩壊から身を守る方法

借りた方も、それを土地や株などにつぎ込みました。その後みごとに膨れ上がった泡ははじけてしまったのですが、このように金利を下げると下手をすればバブルの原因になりかねません。

ちなみに、私たちとしてはバブル崩壊に巻き込まれないように自分の身は自分で守るしかありません。具体的には、不動産価格や株価は永久に上がり続けることはないと肝に命じましょう。

そして、銀行が頼むからお金を借りてくださいと頼んできたときにはバブルかもしれないと疑うこと。最後に借りたお金で投資(財テク)はしないことです。

これらに気をつけていれば、恐ろしいバブル崩壊から身を守れると思います。

もっとも、デフレが続いて雇用不安も広がる今の日本では、バブルになるなど想像もつかないのですが、油断はできません。まあ、日銀も物価上昇率が1%程度になるまでという「時間軸」を明示していますから、大丈夫だとは思います。

次に、金融機関が意欲を失うという点について。これは、市中銀行は銀行間取引市場で互いに資金を貸し借りしていますが、貸すほうが金利を取れないとなれば、貸す気がなくなるということでしょうか。

そして金融機関も銀行間でなく、日銀から直接融資を受けるようになるでしょう。

次に過去のゼロ金利政策について。日本のこの政策はおかしいと海外から避難されたこともありましたが、結局アメリカやスイスで採用されたんですね。


効果があるかは分からない

最後にゼロ金利政策の効果について。日本は長い間デフレーションのただ中にいます。物価が下がり続けているので、借金をするとどうなるでしょうか。

例えば今、金利が下がったから100万円を銀行から借りたとします。金利は2%(年利)で、2年後に返すとします。

そして、今後も物価が下がり続けたとしますと、逆にお金の価値は上がり続けます。

ということは、2年後に100+4万円を返すときに、借りた時よりも仮にお金の価値が2%上がっていれば、104万円×102%のお金を実質的に返済しなければならないことになってしまいます。

これでは、低金利で借りた意味があまりなくなってしまうというわけです。

ゼロ金利政策も、効果が果たしてどうなるかはやってみないとわからないところもあると思います。ただ、効果を上げるには、経済成長を促すような政策も不可欠でしょう。

例えば公共事業でも、無駄なハコモノを作るのは借金まみれの財政から言っても反対ですが、全国の学校の耐震補強(最近はテープを使って低コストでできる工法もあるそうですね)や、老朽化が進む橋の補強などは必要です。

こうしたほんとうに必要な部分に予算を使えば、日本の地震リスク(経済的にも、人的被害という点でも)を減らすことができ、外国投資家がもっと日本に投資してくれるかもしれません。

雇用の点でも、日本は正社員か、そうでなければパートや派遣労働者というように極端です。一方ヨーロッパでは、パートタイマーでも働いた分は正社員として扱われる(賃金や年次有給休暇など)そうです。

経営者は負担が増えるとして反対するでしょうが、労働者の生活が安定しなければ消費は増えず、企業にとっても苦境から脱出できません。

労働者が安心して働ける一方、企業も必要な時間だけ正社員として柔軟に雇えるわけですから、双方にとってよいのではないでしょうか。

また、中小企業を支援するために、法人税も企業の利益の額に応じた累進性にするなどはどうでしょうか。(中小企業の優遇税制はあるようですが)

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