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PBRとは、メリットとデメリット

PBRとは、メリットとデメリット

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私はPBR(株価純資産倍率)を重視しています。当サイトでご紹介しているダブル平均法でも応用法でPBR2以下の銘柄に限定するものがあります

また、PBRシンプル法もその名のとおりPBRを用いて割安な銘柄を買うものです。

PBRとは

PBRとは、ある会社の純資産をBPS(1株当たり株主資本)で割ったものです。純資産とBPSが同じ(=PBRが1倍)であれば、ちょうどその会社の解散価値(解散した後に株主に戻ってくるお金)がBPSと等しいということです。

すなわち、PBRが1倍なら、その会社が有している資産価値と株価とが等しいと理論上は判断できるというわけです。1倍未満なら割安、2倍以上なら割高と言えます。

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なぜPBRを重視するか

なぜPBRを重視するかといいますと、割安・割高をはっきり示してくれる財務指標だからです。この点がPBRの大きなメリット(利点、長所)です。

例えばPERと比べてみましょう。PERはその会社の利益が変動すればそれに連動して大きく変わります。例えば前期のPERが20だったのに、今期は5になったり40になったりというように、いきなり変動します。

そのためその銘柄が割安かどうかを計る指標としては使いづらいのです。

一方PBRは当期利益ではなく、会社の資産に対する株価の割合なので、大きく変わることがありません。そのため割安かどうかを判断するよい材料になってくれます。

もう一つ、PERが同業種の他の銘柄と比べて割安・割高を判断する相対的な指標であるのに対して、PBRは絶対的な指標です。PBRが1倍なら、他の銘柄と比較する必要はなくその銘柄は割安だと判断できます。

PERのように相対的な指標というのは使う際に利用者の主観が入ってしまいがちです。上記のようにPERは他の銘柄と比べて使うので、比べる銘柄によって割安かどうかの判断が揺れてしまいます。

このようにPBRはメリットの多い、使いやすい指標です。しかしもちろんデメリットもあります。


デメリット

PBRのデメリット(短所、欠点)をご紹介します。それは、他の財務指標にもいえることですが、PBRのみを判断材料として株式投資をするのは危険だということです。

というのは、PBRに注目して株を買うときには、PBRが1.2とか0.8というように低い銘柄を買うことになります。このように市場から注目されずに株価の安いままの銘柄を低位株といいます。

さて、それではPBRが低ければ低いほどいいかというとそうではありません。私はPBR1前後、できれば1未満の銘柄を好みますが、PBRが低いというだけですぐに買うことはありません。

私はある銘柄を売買しようと思ったら、必ずその銘柄の財務をチェックするようにしています。

具体的には、自己資本比率を最も重視します。自己資本比率が50パーセント以上あれば、まず財務は心配ないでしょう。
参考:ドルコスト平均法の銘柄選び

それから念のため、業績もチェックしておきましょう。直近に大きな最終赤字などを出しているなら、再びそれと同じくらいの赤字が出ても大丈夫かをチェックします。

自己資本の額がその赤字額よりだいぶ多ければ、当面は心配ないと判断できます。


簿価と時価との違い

もう一つのPBRのデメリットとして、簿価をもとにしたPBRでは現在の時価を元にした(実質)PBRと異なってしまうことがあることです。

どういうことかと申しますと、会社の持っている土地・建物や有価証券などの資産が時価でなく簿価で計算されている場合、簿価は現在の価格と異なることがあります。

例えば会社の持っている土地が1億円と簿価ではなっていたとします。

すると、現在のその土地の値段(時価)が5千万円に下がっていたとしてもPBRを計算する際にはその土地は1億円として評価されますので、会社が実際よりも多く資産をもっているように計算されてしまうのです。

そのため、PBRが低いと思って株を買ったら、実際はその会社の資産が簿価よりかなり少なかったという危険性もあるのです。

こういったことから、PBRのみを基準として株を買うことにはリスクがあるといえます。そこで、前述のように財務内容も考慮し、また損切りも併用することが重要です。

なお、金融商品については時価会計が原則導入されているそうです。

なお、当サイトではPBRを重視したオリジナル投資法、PBRシンプル法をご紹介していますので参考になさってください。


実質PBRとは

日経新聞に実質PBRについての記事が掲載されていたのでご紹介します。

(日本経済新聞10/5/27から引用、抜粋)三菱地所など主要不動産4社を対象に、保有する賃貸ビルや土地の含み益を加味した実質PBRをはじいたところ、26日時点でいずれも1倍を下回った。
PBR1倍割れは株価が理論的な解散価値を下回っていることを示す。
PBRは時価総額を分子に、貸借対照表上の純資産を分母にとり算出する。通常は保有不動産の含み損益は反映されない。
それが会計基準の変更で2010年3月期決算から不動産の含み損益が注記で開示されるようになり、税引き後の含み損益を加味した純資産で実質PBRが計算できるようになった。
三菱地所のPBRは通常ベースでは1.65倍だが、実質PBRは0.81倍に下がる。東京・丸の内などに2兆円超の含み益のある不動産を持ち、売却した場合に多額の売却益が出る計算になるためだ。
NTT都市開発の実質PBRは0.56倍と、含み益反映前のPBRから大幅に低下する。
(ただし)ビル賃料収入が減少したり、仮に売却しても開示された含み益を確保できなかったりする懸念があるという。
○各社の実質PBR/通常のPBR(26日現在)
三菱地所:0.81/1.65
三井不動産:0.84/1.21
住友不動産:0.91/1.53
NTT都市:0.56/1.61

実質PBRとは、簿価ではなく時価を元に計算したPBRです。不動産の含み損益を加味した方が、不動産をたくさん所有している不動産会社では特に正確なPBRが算出できるというわけです。

ということは、もしその時点で不動産に含み益が出ていれば、通常のPBRよりも実質PBRの方が低くなり、その銘柄はさらにお買い得ということになります。

一方、不動産に含み損があれば、逆になります。こういったことから、特に不動産関連の銘柄は実質PBRを利用した方が、正しい数字を把握できそうです。

私もPBRは非常に重視していますが、PBRが低いからといって必ずしも将来株価が上がるとは限りません。そのため、やはり低PBRの銘柄でも損切りは必要だと思います。

しかし、PERのように毎期の利益によって数値がころころ変わったり、業種ごとで基準となる数値が違う指標に比べて、PBRはどんな業種であれその会社の持っている財産に対して株価がどれだけになっているかということを明確に示します。

そのため、PBRは実際に使いやすい指標だと思います。

さて、記事に紹介されている不動産会社の実質PBRを見ますと、この時点で全社とも1を割り、かなり割安だといえます。

私もこの中で最も実質PBRの低い、NTT都市開発(8933)をヤフーファイナンスで調べてみました。

10/6/11現在、自己資本比率が連結で16.4パーセントですか。当サイトの基準からするとちょっと低すぎますね。

次に、三菱地所(8802)も見てみました。自己資本比率は27.2パーセントとこちらの方が財務体質がしっかりしています。

当サイトは安全性を第一に考えており、基本的に自己資本比率60パーセント以上の銘柄を売買するようにしています。

その基準からいくと両社とも基準に達していませんが、自己資本比率60パーセント以上というのはかなり厳しい基準なので仕方ないです。

自己資本比率はほどほどあればよい、株価が下がれば損切りするというお考えであれば、記事に紹介された不動産銘柄はお買い得といえるでしょう。

もっとも実質PBRが低いから将来株価が上がるという保証はありませんので、例えばPBRシンプル法(損切りもルール化してあります)を使って買っていくというのもよいと思います。

追記:その後、当サイトの自己資本比率の基準は50%以上にしました。

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