ホーム » コラム » 投資法 »

銘柄分散、ミニ日経平均先物、信用売りを使ったリスクヘッジ

銘柄分散、ミニ日経平均先物、信用売りを使ったリスクヘッジ

スポンサード リンク

Pocket

(日本経済新聞10/11/8から引用)長期的な利益成長を見込んで株式を買ったのに、相場全体の地合いの悪さに引きずられて株価が下がってしまった。
下落は一時的だと思うので売却はしたくないが、含み損がこれ以上膨らむのには耐えられない。こんなときに個人投資家が使える株式のリスクヘッジ(値下がりリスクの軽減)手法を探ってみた。
株式市場は、外国為替相場や海外株の値動きなど「外部要因」に左右される展開が長く続いている。
福岡県在住の会社員Aさん(29)は1ドル=90円を突破する円高になった6月下旬以降、シャープなど輸出関連株の一部を売り、ニトリホールディングスなど内需関連株と入れ替えた。
「円相場の先行きが読みにくくなり、保有資産全体が目減りするリスクを小さくしたかった」と狙いを打ち明ける。
Aさんのように、いくつかの業種に分けて投資する「分散投資」はリスクヘッジの基本。「卵は一つのかごにもるな」という格言もある。
だが、だれもがたくさんの銘柄を保有する資金力があるわけではなく、銘柄の調査に時間や手間もかかる。
ファイナンシャルプランナーの柳沢美由紀さんは「銘柄だけでなく、投資する時間を分散してもリスクヘッジの効果がある」と助言し、初心者向けに株式累積投資(るいとう)を候補に挙げる。
各証券会社が取り扱っており、少額で始められる。
「るいとう」は、毎月決まった金額で特定の銘柄を買い付ける。株価が安いときに多くの株数を買い、高いときには取得する株数が少なくなり、平均の投資額を低く抑えられる。
(中略)2008年1月の始値(4950円)でキヤノン株を100株買ったとしよう。今年11月1日の終値は3625円だったので、その時点で約13万円の含み損が出ている計算になる。(中略)
これに対し「るいとう」で毎月月初めに5万円ずつ買ったとすると、08年1月-10年11月の平均取得株価は3651円となり、わずかに含み益がある。
10株ずつ定期的に買った場合(平均取得株価は3823円)よりも買いコストは低い。
「るいとう」は投資期間が長いほど平均取得コストの引き下げ効果が大きく「これから株式投資を始める若い人に向いている」(柳沢さん)。
通常は年間3150円の口座管理手数料がかかる点や、証券会社によっては取り扱っている銘柄数が少ない点には注意が必要だ。
株式以外の商品を加えてリスクを分散する手法もある。FPの藤川太さんは「金の上場投資信託(ETF)や上場不動産投資信託(REIT)など、値動きが株式と連動しにくい商品がいい」と話す。
金は「安全資産」とみられ、株式などリスク資産から投資資金が逃げ出した時の受け皿になりやすい。REITは不動産の賃料収入が比較的安定し、株価の下落局面で底堅い動きをすることが多い。
今年9月末までの1年間に、300万円を株式、金ETF、REITの3資産で運用した(中略)。株式、REITは代表銘柄のトヨタ自動車株、日本ビルファンド投資法人、金ETFは東京証券取引所に上場しているETFS金上場投資信託で試算した。
株式、REITは値下がりしたが、金ETFは大幅に上昇。各資産に100万円ずつ投資した場合の合計損益(手数料などは考慮せず)は4万円強のマイナスになった。
トヨタ株に全額の300万円を投じていたら、47万円の含み損が出ていたところだ。
株式投資の中・上級者向けには、株価指数先物や信用取引を使う手法がある。先物や信用取引は株価が下がりそうなときに売り建て、実際に下がったときに売り建てた価格より安く買い戻すと利益が出る。
(ミニ日経平均先物によるリスクヘッジもある。その場合の)注意点は、「ミニ先物を売り建てる金額は、リスクヘッジの対象にする現物株の株価の合計額を超えないようにすること」と、資産運用教育を手がけるインベストラスト(東京・港)の福永博之代表は指摘する。
先物が予想に反して上昇した場合に、現物株の値上がりで先物の損失を補えるからだ。(中略)
ミニ日経平均先物は2006年に大阪証券取引所に上場したデリバティブ(金融派生商品)。通常の日経平均先物と同様に特定の日(期日)の日経平均株価を予想して売買し、買値と売値の差額で決済する。
取引単位が日経平均先物の10分の1と小さいのが特徴で、日経平均株価の100倍が最小単位の「1枚」となる(日経平均先物は1000倍)。
(中略)流動性が高く、取引に際して証券会社に預ける証拠金が少額で済むため、個人投資家の利用が多い。
(中略)期日は3ヶ月ごとにあり、3,6,9,12月の第二金曜日と決められている。この日の日経平均採用銘柄の始値で算出した特別清算指数( SQ)を基準にして強制的に反対売買される。

去年の記事ですが、いろいろなリスクヘッジについて解説されたものです。

スポンサード リンク

株式投資には失敗がつきものです。株を買ったらそのまま上がればよいのですが、ここぞというときに買っても下がり続けることは珍しくありません。

そうしたときのために、いろいろなリスクヘッジの方法があります。

まず、冒頭の円高を嫌気して保有銘柄を入れ替えたケースについて。最近は円高が急激に進んで、戦後最高値を更新しました。引用記事は10年のものなので1ドル=90円を突破したあたりですが、その後11年には75円台にまでいきました。

それを考えると、Aさんの戦略はみごとに成功したといえるでしょう。これ以上円高になると輸出企業に不利なので、輸出企業を売って内需関連株と替えたのです。

これは株式だけで運用している場合で、銘柄をいろんな種類に分散した例です。他にも例えば、不況に弱い銘柄と強い銘柄を合わせたり、東証1部と新興市場に分散するなどいろいろな方法があります。


るいとう

ただ、記事にもあるように、複数の銘柄に分散投資することは、けっこう大変です。第一に元手が多く必要です。銘柄を増やせば増やすほど多く必要です。

第二に、管理が大変です。多くの銘柄の値動きを追ったり、財務などの分析をしなければいけません。

そこで、例えば一つの銘柄だけを売買して、時間を分散させる方法があります。るいとうは、株式累積投資の略です。

るいとうとは、毎月1万円などと予算を決めておくと、証券会社が自動でその銘柄を買い付けてくれるものです。

これは、ドルコスト平均法という投資法を活用したものです。ドルコスト平均法では、一定の予算内で買えるだけ株を買っていくので、株価が下がっているときには多く、上がっているときには少なく買います。

そのため、平均取得株価をある程度低く抑えられます。

具体例としてキヤノンが紹介されていますが、含み益が出ているので大したものです。ドルコスト平均法を使う期間が長いほうが平均取得コストの引き下げ効果が大きいというのは、期間が長ければ長いほど、株安の時が増えるからです。

ちなみにるいとうは、ネット専業証券では扱っているところが少ないようです。カブドットコム証券はプチ株というサービスで扱っています。

なお、るいとうを使わなくても、自分で売買すればドルコスト平均法を利用することができます。当サイトでも1ヶ月に1回売買する方法をご紹介しています。

るいとうは、貴金属商などで扱っている「純金積立」の株式版だといえます。


複数の金融商品に分散

次に、株式だけでなく、投資信託、債券、商品(コモディティー)、デリバティブなどに分散する方法です。アセット・アロケーション(資産配分)とも言われます。

ここでは金ETFとリートが取り上げられています。金は、世界同時株安などの金融危機や、政治情勢が不安定になった時などに安全資産として買われ、「有事の金」と言われます。

私もリスクヘッジとして金は有用だと思っています。

REITは不動産に投資する投資信託で、年間利回りが5%を超えるものも少なくありません。家賃収入が組み込まれているので、不況や株安の時にも比較的強いと言われています。

日本ビルファンド投資法人はJ-REIT(日本のリート)の最大のものです。利回りは4%前後なようです。

さて、引用記事のポートフォリオ(資産構成)は、トヨタ株だけに投資したときよりも、大幅に損失を減らすことができました。金ETFの上昇が大きかったようです。

私も現在は大掛かりにポートフォリオを組んではいませんが、今後日本の財政悪化が放置されたりするのであれば、金や商品などを購入することも検討するつもりです。


デリバティブの利用

ここまでのリスクヘッジのやり方では、デリバティブ(金融派生商品)は使われていません。デリバティブとは、現物以外の金融商品で、主に売りヘッジをするためのものです。

デリバティブは現物ではないので、証拠金取引ができます。すなわち、レバレッジを掛けられるのです。

株価指数先物では、日経225先物が代表的です。

信用取引では、信用売がリスクヘッジに使われます。現物を持たない状態で、相場の下げを取りたいなら空売りになります。現物を持った状態で売り建てをすると、つなぎ売りになります。

私も信用売りはよく利用します。


ミニ日経平均先物

ミニ日経平均先物は最近注目されています。日経平均株価の100倍を1単位としていますから、例えば日経平均が8600円なら、一枚が86万円になります。

レバレッジが掛けられるので証拠金はもっと少なくて済みますが、レバレッジを高くするとリスクが増してしまいます。

通常の日経平均先物は先ほどの例で860万円の取引をしますから、個人投資家にとっては額が大きすぎて使いにくかったです。その点ミニは重宝しそうです。

リスクヘッジのための使い方としては、日経平均採用銘柄を持っているときに、ミニ日経平均先物を売り建てることになります。

このとき、例えば株の銘柄を1000万円持っているなら、1000万円分のミニ日経平均先物を売り建てることが基本です。

そうすれば、日経平均採用銘柄の株価は日経平均株価と連動して動くことが多いので、その銘柄の株価が下がっても、ミニ日経平均先物には利益が出ますので、相殺できるというわけです。

ただし、日経平均株価に投資するインデックス投信を持っているのでない限り、必ず株価と日経平均株価が同じように動くとは限りません。

その点では、その銘柄を同数、信用売で売り建てるほうが完全にヘッジできます。

Pocket

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)