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信用取引のメリットやコストなどの解説

信用取引のメリットやコストなどの解説

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(日本経済新聞11/11/2から引用)信用取引は現在、個人投資家の売買代金の半分以上を占めるとされる。事故資金の範囲で株式などを売買する「現物取引」と比べて、様々な利点があるためだ。
利用するには証券口座とは別に信用取引口座を開設する。この口座に担保となる保証金や株式などを差し入れて取引をする。
最大の特徴は、自己資金よりも大きい金額を借りて取引ができる点だ。信用取引を新たに始める前に担保として差し入れる保証金は、信用取引をする金額の上限の30%以上と決まっている。
(中略)また、相場が下落しているときでも信用取引を使えば利益を狙うことが可能。
保有銘柄が値下がりしそうだが売りたくはない。でも、その損失は軽くしたい。こんなときは、同じ銘柄を信用で売り建てる「つなぎ売り」という手法が役立つ。
株を借りて売り、下落した局面で買い戻せば差益が得られ、保有したままの現物株の値下がり損をある程度相殺できる。
(中略)気を付けたいのは、信用取引では損失を被った分を保証金から差し引かれたり、担保にした株式の価値が下落したりして担保が不足すると、証券会社から追加の差し入れを請求される点だ。
差し入れをせず、証券会社が決めた信用取引額に占める担保の割合(20%以上)を下回ったまま2営業日後の正午を過ぎると、信用取引は自動的に決済されてしまう場合もある。
インベストラスト代表取締役の福永博之氏は「不慣れな人が限度額まで取引するのなら、値下がりの可能性がある株式よりも現金を担保にしたほうがよい」と話す。
信用取引では、利用する種類によっては取引銘柄や期間に制限もある。信用取引は大きく分けると、証券取引所が利用できる銘柄を決める「制度信用取引」と、証券会社が決める「一般信用取引」がある。
このうち、主に期限に制限があるのは制度信用取引だ。
制度信用取引では信用買や信用売をしてから6カ月以内に、反対売買したり借りた現金や株式を現物で返済する必要がある。
(中略)一方、一般信用取引で主流の「無期限信用取引」には原則、決済期限がない。
取引コストにも気をつけたい。証券会社から借りた資金や株式に対する金利に加え、信用売りで貸す株式が不足した際に証券会社が期間投資家などから調達するコストである品貸料(逆日歩)の負担を迫られる場合もある。(以下略)

株式投資での信用取引についてコンパクトにまとめられたよい記事でした。

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通常の株取引(現物取引)では、証券口座に預けた金額までしか株を買うことができません。

一方、信用取引なら買付代金を証券会社が貸してくれるので、そのお金で元手以上の取引ができます。

また、信用売り(空売り)をすることができます。これらを詳しく解説します。


レバレッジ約3倍の取引ができる

まずは、レバレッジを効かせることができるという点です。個人投資家の売買代金の半分以上を超えるというのも、ここに理由があります。

例えば30万円の元手で株をする場合。現物取引なら前述のように、30万円までしかポジションを持つことができません。

一方、信用取引では100万円まで株を売買できます。つまりレバレッジ約3倍です。商品先物取引や日経平均先物、FXなどに比べれば低いですが、多額の取引ができます。

そのため、絶好の買い銘柄があるが資金がないという場合などに活用されます。反面、損失が大きくなってしまうというデメリットもあります。


空売りができる

次に、信用売り(空売り)ができます。そのため、下げ相場でも利益を出せるチャンスがあります。

引用記事にはトヨタ自動車での空売りの例が出ています。トヨタを3955円で空売りし、6ヶ月後に2819円で買い決済すれば、10万円以上の差益を得られたことになります。

このように、空売りではなるべく株価の高いところで売り建てし、なるべく株価の安いところで買い戻すことで、差額が利益になります。

そのため、株価が下げ続ける相場でも利益を出すことができるのです。私も空売りはよく行います。

例えば最近ではリーマンショックや欧州債務危機によって円高になり、日本株も下げることがありました。こういうときでも、空売りを早めにすれば、利益を出せる可能性があります。

ちなみに他の金融商品について言いますと、商品先物や日経平均先物、FXやCFDなどのデリバティブでは空売りができます。株と違って金利や逆日歩のコストも不要です。


つなぎ売り

つなぎ売りは、現物株を保有している投資家が、その株を持ったまま同じ銘柄を信用売りするという手法です。厳密には同じ銘柄でなくてもつなぎ売りです。

例えば、3000円でトヨタ自動車株を購入し保有しているとします。その後株価が上がりましたが、そこから再び下がって3200円だとします。

このとき、トヨタを売ってしまえば200円の値上がり益が出て取引終了ですが、トヨタに愛着があって手放したくないとします。

その場合、同数のトヨタ株を信用売りすれば、3200円でトヨタを売ったのと同じことになり、その後株価が5000円になろうと1000円になろうと変わらないことになります。

ここはちょっとわかりづらいので、もっと詳しく説明します。上記の例でつなぎ売りをした後、株価が5000円になった場合。現物株は5000-3000=2000円の含み益があります。

一方、売建てしたポジションは3200-5000で1800円の含み損が出ます。そのため、2000-1800で200円の含み益が全体ではあります。

次に、株価が1000円に下がった場合。現物株は1000-3000で2000円の含み損があります。一方、売り建てでは3200-1000で2200円の含み益が出ます。そのため、-2000+2200で200円の含み益です。

このように、つなぎ売りを(売りと買いで同数)行えば、その時点で価格を固定したことになり、その後価格がどうなろうと変わらないのです。


つなぎ売りと株主優待制度

なお、つなぎ売りをすると、配当はどんな銘柄でも0になります。これは、現物株では配当がもらえますが、売りポジションでは配当分を支払わないといけないからです。

ところでつなぎ売りは面白い活用法があります。株主優待タダ取りと言われる方法です。

これは、例えばダイエーの株主優待券が欲しい人が、ダイエーの株を買い、同数を売建てするという方法です。そう、つなぎ売りです。

こうすると、現物株で優待がもらえる一方、配当と違って売りポジションでの負担はありません。

そして、金利や逆日歩といったコストはかかるものの、つなぎ売りを完了した以降、株価が上がろうと下がろうと関係ありません。極端な話、その会社が倒産してもです。つまり、ほぼノーリスクで株主優待を獲得できるというわけです。

私もときどきこの方法を使っています。


特有のリスクに注意

このようにいろいろと便利な信用取引ですが、リスクがあることには注意が必要です。

第一に、追加証拠金です。信用取引では一定の担保を差し入れることが必要ですが、取引で損失が出てしまうと、その分が保証金から差し引かれます。

また、担保に株式などを差し入れて、その価値が下がってしまうこともあります。

こうして担保が十分でなくなると、追加で証拠金を差し入れてくださいと請求されます。これは追証(おいしょう)とも呼ばれます。

そして、期日までに追証を差し入れないと、持っているポジションが強制的に決済されてしまうことがあります。

株式よりも現金を担保にしたほうがよい理由は、株式ですと相場の変動によって上記のように価値が下落してしまうことがあるからです。

特に、ある銘柄を担保にして同じ銘柄を買うことを二階建てと呼びます。この場合、その銘柄の株価が下がると、建てているポジションで損失が出て、担保でも損失が出るというダブルパンチになってしまいます。

そのため、現金を保証金として差し入れるほうがやはり無難です。

なお、株式などの有価証券は、担保価値が80%として計算されることが多いです。この担保価値を算定するときにかける数字を代用掛け目といいます。

つまり、時価5万円の株式でも、4万円として価値が算定されます。この点でも株式はやや不利です。

なお、保証金の最低額は30万円という証券会社が多いです。


制度/一般信用取引

信用取引には制度信用取引と一般信用取引があります。私はSBI証券で制度信用取引を使っています。

制度信用取引は売買できる銘柄に制限があり、6カ月以内に決済しないといけないという制限もあります。また、空売りができるのは貸借銘柄のみです。

そのため、使いづらい面もあります。

一般信用取引は証券会社が独自に行なっているサービスです。決済期限については、たとえばSBI証券は原則無期限、カブドットコム証券は3年です。

そして制度信用銘柄になっていない銘柄でも売買できるなどのメリットがあります。一方、空売りはできない証券会社がほとんどのようです。


コスト

次に信用取引のコストです。まず、レバレッジを効かせた取引をする際に金利がかかります。証券会社によって違いますが2-3%のところが多いです。

また、事務手数料がかかります。

品貸料(逆日歩。ぎゃくひぶ)というものもあります。逆日歩とは、信用売りの多くなった銘柄を信用売りするときに、場合によっては必要となるコストです。

普段は少額ですが、例えば倒産が噂されたり上場廃止が決定したような銘柄ですと、信用売りが殺到します。その結果、逆日歩もかなり高くなることがありますので要注意です。


口座開設

信用取引を行うには信用取引口座を開設する必要があります。まず、1年以上などの現物取引といった投資経験が必要になります。

必要書類を郵送やネットで申し込むと、審査が行われて、無事通過すれば口座が開設されます。

私も利用しているSBI証券の場合、「信用取引口座設定約諾書」の電子提出を選べば、4,000円の収入印紙の貼付は不要となります。
SBI証券公式サイト

まとめ

信用取引は私は空売りをするために主に使っています。レバレッジを掛けるのはハイリスクハイリターンになりますから、注意も必要です。

金融危機などによって相場が大きく下がるときに、信用取引はとても役に立ちますから、興味のある方は研究されるとよいと思います。

初心者の投資家でも、株主優待タダ取りはローリスクで使いやすい投資手法です。優待だけで年間利回りが10%を超えるような銘柄もあります。

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