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ファイナンス理論専門家が語る分散投資

ファイナンス理論専門家が語る分散投資

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(日本経済新聞11/10/4、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の森平爽一郎氏の記事から引用)ファイナンス理論で最も重要とされているのが分散投資だ。
(中略)「一つの籠に多くの卵を入れるな」という欧米の格言があるが、2つの籠に分けて卵を入れておけば、一方の籠を落としても、もう一つの籠の中の卵は無事という意味だ。
(中略。最近の)円高を1年前に誰が想像しただろうか。我々にできることは円高になって得する企業や、円安になって得する企業などに広く分散投資するほかに方法はない。
(中略)究極の分散投資は全ての資産に投資をすること。日本株投資であれば東京証券取引所に上場をしているすべての株に投資することである。
(中略)そうした上でもリスクは依然として残るが、そのリスクが一体どのくらいあるかを示す「ベータ値」を、個人投資家でも利用できるようになりつつある。
(中略)「投資の神様」といわれているウォーレン・バフェット氏も、はやりのIT(情報技術)投資をせずに、自分が納得した、しかもありふれた産業に属する企業(例えば水道管の会社や保険会社など)に投資をしている。
(中略)日本では、自分が勤めている会社の株を盛んに買っていた時代があった。(中略)しかし、会社が危うくなればボーナスが減り、給与が下がり、株も下がる。
(中略)むしろ競争会社や競争産業に投資をする方がよいかもしれない。
(中略)自分が「将来有望」と信じる企業に投資をすることは、自分のお金を使って良い企業を支援し、社会貢献をすることを意味する。(以下略)

最近は例えば森永卓郎氏のように、大学教授でありながらテレビなどでわかりやすく経済や投資を解説してくれる人が増えてきたとはいえ、まだまだ大学の先生が投資について語ることは少ないです。

その点、この記事はユニークだと思います。

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投資と聞くと、株やFXなどをされていない方にとっては敷居が高いでしょう。それもそのはず、リスクがあるからです。

おまけにリーマン・ショックによる株安、ヨーロッパの財政危機、それによる超円高などを見ると、投資はリスクが高くて危険と思われる方も多いはずです。

そしてそれは正しいです。投資はハイリスク・ハイリターンかローリスク・ローリターンですから。

ただ、私も個人投資家の一人として、リスクをなくすことはできないが減らすことは可能であり、リスクを減らせればある程度の利益を上げることもできると考えています。

ところで、2011年は東日本大震災と原発事故が大変でした。特に原発事故については、やはり「人災」の側面が大きかったと思います。

つまり、電力会社も政府も大津波によって予備電源が働かなくなり、大きな事故になりかねないというリスクを無視していたのです。

はっきり言えば危機管理がなっていませんでした。投資においても、リスクを直視することは非常に重要で、不快なものだから無視するというのではいけません。


分散投資

さて、それでは証券投資(株や債券)、商品投資などにおいて、どうすればリスクを管理し、減らすことができるのでしょうか。代表的な方法は、森平先生もおっしゃっている分散投資です。

例えば株式の一つの銘柄だけを保有していると、それが暴落したり倒産してしまったりすると、財産を大きく失ってしまいます。

そこで、それを避けるために、複数の銘柄を保有したり、インデックス投資をしたりという方法がとられます。

あるいは、株だけでなく、債券や商品(コモディティー)、不動産投資信託などにも分散させるというのも分散投資です。

こうして複数の金融商品を組み合わせた内容をポートフォリオと呼びます。

私は本格的にポートフォリオを作って投資するという方法はとっていませんが、日本の財政悪化などを考えると、場合によっては本気で分散投資もしなければいけないかもしれないと思っています。

森平先生がおっしゃるように、11年の急激な円高を予測できた人はほとんどいなかったと思います。私もあそこまで上がるとは思いませんでした。

もし予測できないとすれば、あてにならない予測で円高か円安に賭けるのではなく、円高で得をする企業と円安で得をする企業に分散させて株を買ったほうがよい、ということになります。

確かにこれは筋が通っています。こうした分散投資なら、円相場がどちらに転んでも少なくとも大きな損失は出ません。

そのかわり、大きな利益を出すこともできないでしょう。それでも、このように株の銘柄を分散させれば、少なくとも配当益は得ることができます。


インデックス投資

森平氏は究極の分散投資は全ての資産に投資することだとおっしゃっています。日本株で言えば、個別銘柄を買うのではなく、インデックス投資をするということになります。

インデックス投資とは、市場全体の値動きを示す指標に投資をすることで、市場全体に投資したのと同じ効果を狙うことです。

たとえば日経225に連動する投資信託とか、くりっく株365などです。確かにこうした指数を売買することは、特定銘柄と違って「倒産などになってしまい、資産価値がゼロになる」ということがありません。

そのため投資の初心者にも向いていると思います。

また、例えば東証一部に上場している銘柄にはいろんな企業がありますから、その全体を売買することで、特定の業種に銘柄が偏らないというリスクヘッジにも(ある程度)なります。


インデックス投資の欠点

ただ、こうしたインデックス投資にもデメリットもあります。第一に、大きな利益は得にくいです。例えば個別銘柄なら、数ヶ月で数倍とか数十倍に株価が急騰することもあります。

一方、日経平均株価が短期間で数倍になることはまずありません。

ただ、これは多くの銘柄に分散することでリスクヘッジしているというメリットの裏返しでもありますから仕方ないでしょう。

第二に、市場全体が不振なときには損失を被るということです。例えば日経225に連動する投資信託を買った場合。日経平均株価が下がれば、この投信の基準価額もまず間違いなく下がります。

まあ、相場の上下で損失を被ることがあるのは、リスクのある投資である以上仕方のないことです。これは特定銘柄の売買でも同じことですし。


外国株

そこで、日本株だけでインデックス投資をするのではなく、外国株投信を買うという方法があります。

例えば日本株に加えて外国の先進国株投信(アメリカ、ヨーロッパなど)、新興国株投信(中国、インドなど)も買うということになります。

この場合、日本株が不振でも、新興国が好調ということはよくあります。また、そのうちに新興国のバブルが弾ける(中国などでそうなる可能性があります)一方で先進国は堅調ということになるかもしれません。

このように複数の投信などを組み合わせることで、リスクヘッジを図るのです。


複数の金融商品

さらに、株式や株投信だけでなく、商品、リート(不動産投信)、債券、デリバティブ(金融派生商品)など複数の金融商品を組み合わせようという考えが生まれます。

例えば株価と商品の金は互いにあまり関係ない値動きをすることで知られています。あるいは株価が下がると金価格が上がることも多いです。

そこで、株式だけでなく、ポートフォリオに金を加えれば、強力なリスクヘッジになります。金は上場投資信託(ETF)や商品先物取引などで買うことができます。

もちろん金でなくてもよいです。プラチナや原油などもヘッジ目的に使いやすいです。ただ、やはりヘッジ目的の資産の代表は金です。


不動産

不動産も投資対象の代表格ですが、不動産の実物に投資するのはなかなか難しいです。

例えば数億円の売りビルを買うとか、何千万円も出して貸家用の物件を新築するというのは資金がたくさん必要です。

また、不動産を管理するのも大変です。

そこで、手軽に不動産に投資できる方法に、REITがあります。リートとは不動産投資信託のことで、比較的利回りが高いことが魅力です。

また、リートは住宅に重点的に投資するタイプのものなどは、不況にも比較的強いです。


債券

債券(ボンド)は、一般に株式より安全性が高いと言われています。ただし、債券だからといって油断をしてはいけません。

例えば日本国債は安全資産の代表のように言われてきました。個人投資家も個人向け国債を買うことができます。

しかし、私は日本の財政悪化を懸念しており、日本国債はリスクが低いとはまったく考えていません。

国債は満期(償還期)まで保有すれば、発行元が健在であれば元本と利回りが得られます。逆に言えば、発行元が破綻してしまえば、デフォルト(債務不履行)になりかねないということです。

債券を買うなら、高い利回りには注意して、安全第一で選びましょう。


分散はローリスク・ローリターン

他にもオプションや先物などのデリバティブ、FXや外貨預金などの通貨、あるいは美術品などさまざまな投資先があります。

理論的には、いろいろな金融商品や実物資産に分散すればするほどリスクが減ると言えます。

ただし、ただ分散すれば損はしないというのは間違いです。分散するだけでなく、株式や債券などの安全性や価値は十分に吟味しましょう。

こうした分散投資は基本的に、ローリスク・ローリターンです。先ほど、個別株に比べて相場全体の指数は大きく変動しないと書きました。

広く分散させれば、その分リスクが抑えられますが、リターンも抑えられるわけです。

もちろん、そこからリターンを大きくするには、投資家の力量が問われます。


バフェット

引用記事はウォーレン・バフェットの銘柄選びにも触れています。バフェットは世の中が騒ぎ立てる業種に注目するのではなく、自分で確かめた銘柄を買うということです。

こうした姿勢は私も見習いたいと思います。株の格言に、「人の行く裏に道あり花の山」というものがあります。

人がたくさん行くから自分もその道を行く、というのでは、なかなか株で勝つのは難しそうです。


勤め先の株

自分が勤める会社の株を買うことについて。会社によっては安く株式を買えるように優遇してくれるところもあります(社員持ち株制度)。

会社にすれば、従業員が株を持ってくれれば安定株主が増やせますし、従業員なので株主総会も紛糾しにくいなどのメリットがあるのでしょう。

ただ、私は社員持ち株制度にせよ、自主的に勤め先の株を買うにせよ、あまり賛成できません。

というのは、仮に勤め先の経営が苦しくなってしまったときに、「リストラされてしまった上に持ち株の株価も下がった」というダブルパンチになりかねないからです。

つまり、勤め先の株を買うことは分散の逆になってしまうのです。

そこで、社員持ち株制度を使うのであっても少数の株数に留めておくのがよいです。リスクヘッジという点においては、勤め先の株を買うのではなく、インデックス投信を買ったり、他業種の銘柄を買うほうがよいです。

もちろん森平氏のおっしゃるように競合他社の株を買うのも面白いです。


日本も以前のような高度経済成長は見込めず、雇用形態も終身雇用から「いつ解雇されるかわからない」というアメリカ型のものに変わってきました。

すると、私達も企業におんぶにだっこというのはリスクが高く、お金を有効に投資に回して増やしたいと考えるようになります。自分の身は自分で守る時代になってきたわけです。

ただ、投資にもリスクがあるのが難しいところです。せっかく資産運用したのに損をしてしまっては意味がありません。

そこで、いろいろな金融商品に分散投資して、金融危機や世界同時株安のような事態になっても大きな損失を出さないようなポートフォリオを作る、というのはよい方法だと思います。

もし分散投資をするのであれば、なによりも安全性をまずは優先することをおすすめします。そして投資に慣れてきたら、少しリスクの高い株式投信を増やすというように、徐々にポートフォリオを変えていくのがよいでしょう。

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