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エルピーダメモリとAIJ投資顧問から得られた教訓

エルピーダメモリとAIJ投資顧問から得られた教訓

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先日、半導体のエルピーダメモリが民事更生法の適用を申請するというショッキングなニュースが流れました。

そして、株価は現在5円にまで暴落してしまいました。

民事更生法は民事再生法よりも厳しいもので、株式は100%減資、すなわち株券が紙切れになってしまいます。そのために既存株主が売り込んだため、暴落したのです。

私は同社の株は買っていませんでしたが、ニュースを聞いてエルピーダの財務内容などをチェックしてみました。

そうして驚いたことは、最近まで同社の財務がけっこうよかったことです。これが自己資本比率5%などであれば、「やっぱり」と思いますが、そうではありませんでした。

具体的に見ますと、11年3月期では自己資本比率32.5%、DEレシオ(負債資本倍率)が1.56倍です。

自己資本比率はけっこう高かったんですね。もちろんこれは、国の支援を受けて資本を増強したこともあります。

業績も見ますと、09年は経常利益が1687億円と巨額の赤字でしたが、10、11年は100億円超の経常黒字でした。

このデータを見て、思ったよりも悪くなかったことに私も動揺しました。データが悪かったなら同社の株は買いませんが、自己資本比率などはけっこうよいので、もしかしたら買ってしまったかもと思ったからです。

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悪い点は多かった

ただ、それでも同社のデータを見ますと、やはり危険を感じるところがいくつか浮かび上がります。

第一に、経営不振によって公的な支援を受けたことです。こうなった企業は経営再建を果たすまではやはり株を買わないほうがよいです。

第二に、09年の経常赤字、最終赤字があまりに大きかったことです。同規模の赤字が再び来てしまえば、自己資本が大きく減ってしまいます。

第三に、11年9月期の中間決算がかなり厳しかったことです。6カ月で579億円の経常赤字になってしまいました。四半期決算もチェックしていれば、同社の厳しさをより早くつかめたことでしょう。

第四に、無配が続いていることです。やはり無配が続いている企業は注意すべきだと思いました。

第五に、DEレシオが高い(借金が多い)ことです。当サイトではDEレシオが1を超えている銘柄は安全でないと考えていますので、私もエルピーダは買わなかったはずです。

特に09、10年はDEレシオがかなり高く、危険でした。ただし業種によっては問題がなくてもDEレシオがかなり高い銘柄もあるのですが、やはりDEレシオが1を超える銘柄には手を出すべきではないでしょう。


自己資本比率

なお、自己資本比率については、前述のように11年3月期では30%超と悪くはありませんでした。当サイトでも原則50%以上の銘柄がよいと考えていますが、そうした銘柄があまり多くないのも事実です。

そこで、今後銘柄を選ぶ際には、安全性を最重視して自己資本比率50%以上の銘柄に限定するのが一番良いと思います。

もし自己資本比率がそこまで高くない銘柄を選ぶ際には、DEレシオが1を超えている銘柄は避けましょう。

さらに無配の続く銘柄を避ければ、かなりの程度までリスクは減らせます。


株式投資の怖さ

とはいえ、やはり危険な銘柄を買ってしまうと、価値がほとんどなくなってしまう、というリスクがあることを私も再認識しました。

このリスクを最大限減らすには、個別株でなく株式投資信託を買ったり、日経平均先物などのデリバティブを買ったり、あるいは通貨を売買するという方法もあります。

私も最近はFXをよく行なっていますが、これらの金融商品は価値がゼロになるということはまずありません。

ただし、デリバティブやFXはレバレッジが高くできる分、リスクも高くなってしまいますので、その点は注意しましょう。


許せないAIJ投資顧問

先日もAIJ投資顧問というところが、顧客から預かった企業年金の資産をいい加減な運用で大きく減らしてしまった、という許せない出来事がありました。

同社は日経平均オプションなどのデリバティブで高利回りで運用していると謳っていましたが、実は運用能力がなく、おまけにハイレバレッジの金融商品を買うだけというお粗末な運用でした。

老後の資金を増やすために虎の子のお金を支払ってした顧客のことを何と考えているのでしょうか!本当に許せません。

おまけに厚生労働省のOBが同投資顧問とコンサルティング契約を結んだり、厚生年金基金に天下ったOBが同投資顧問を選んだりと、おかしな背景もあるようです。

ちょっと話がずれてしまいましたが、高レバレッジの運用はやはり危険が高いということです。

ただでさえ厚生年金基金は企業の負担が大きく、損失が膨らんでいるところも多かったり、解散するところも多いです。


安全性重視を

そうしますと、今回の事件も受けて、確定拠出年金への移行が増えると思われます。ただ、そうなればAIJのように他人にいい加減な運用をされてお金が大きく減るという悲劇は減ります。

一方で年金加入者が自己責任で運用することになりますから、運用に関する知識も求められるようになります。

今後は自分のお金で個別株を買うとか、確定拠出年金で投信を買うという人が増えるだろうというわけです。

その際に、上記のように銘柄選定では安全性を十分に吟味する。あるいは高レバレッジの金融商品には注意するということをぜひ行なってください。

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