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効果的な資産配分の方法を考える

効果的な資産配分の方法を考える

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日本経済新聞に資産配分の基礎を解説した記事が掲載されていました。私はポートフォリオ(資産を配分した内容や割合)を組んで投資するという方法はとらないのですが、資産を分散した投資法に興味のある方のためにご紹介します。

(日本経済新聞05/11/13から引用、抜粋)マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ代表の内藤忍さんは「個人投資家が陥りやすい代表的なワナが3つある」といいます。
第一に資産を分散しないでリスクをとりすぎること。例えば日本株だけに投資していたとすると、株価指数どおりだったとしても一年で最大4割以上も資産が減った年があります。
もちろん個別の株ならもっと激しく値動きします。
でも複数の資産を上手に組み合わせれば、こんなに極端な動きにはならずに安定的な運用を目指すことができます。
二番目は、投資した資産全体の動きは堅調でも、その中でカモにされるパターン。市場平均であるインデックスを安定的に上回ることができるのは、プロの投資家でもせいぜい2割とも言われます。
第三は感情に支配されて失敗すること。例えば「利益確定は急ぐのに、値下がりした株は見るのも嫌で放ったらかし」にする結果、利益は小幅に、損失は大きく、というふうになったりしませんか?
大事なのは運用資産の配分です。資産を適度に分散すれば、将来のインフレや為替変動などさまざまなリスクに備えることができます。
米国の運用会社、バンガードによると、過去の420ものファンドの運用成績の差がどこに起因しているか分析したところ、なんとその77パーセントが、例えば株式を何割、債券を何割といった、資産配分によって決まっていたといいます。
資産配分さえしっかりしていれば、銘柄選びで悩み続けたりしなくてもいいかもしれないのです。こうした研究は米国を中心に多くなされていて、プロの間では「資産配分(アセットアロケーション)の重要さは定説であり常識」(東京海上アセットマネジメント投信のチーフストラテジスト、平山賢一さん)です。
内藤さんは「もし1時間あったら、45分は資産配分をどうするか考えて、それからどんな株をいつ買うかを考えればいい」と言います。
資産配分を考える前に、一見遠回りに見えますが、運用に回してもよい額がいくらなのか把握しましょう。
例えば、住宅の価格が大幅に値下がりしてローン残高を下回っているなどの理由で正味の資産がマイナスなら、投資している場合ではないとも言えます。
いずれにしても大事なのは正味の資産と年間の余裕額を総合し、病気への備えなどの防衛資金を除いた余裕資産の中で資産配分をするということです。
(資産配分を考えるには)基本的には、(日本株、日本債券、外国株、外国債券、流動性資産)のような様々な資産を、どう組み合わせるかを考えればよいのです。
標準的なケースとして、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ代表の内藤忍さんが自分でも実践しているという資産配分の例を見てみましょう。
日本株式30パーセント、日本債券10、海外株式20、海外債券20、流動性資産20
内外の債券と株は合わせてちょうど全体の4割ずつ、その中でも日本株式はやや多めに配分といった特徴があります。初心者はとりあえずこれを参考にして自分なりにアレンジしてはどうでしょうか。
標準的な資産配分の場合の過去35年の平均リターンは約7パーセント、最悪の年でもマイナス13パーセント程度です。いくつかの資産を組み合わせればリターンが安定するのです。
(分散投資に必要な額は)まずは10万円で試してみてはどうですか。
10万円の場合の具体的な配分例:
日本株式 3万円(日経平均連動インデックス投信)
日本債券 1万円(個人向け国債)
外国株式 2万円(海外株式インデックス投信)
外国債券 2万円(米ドルMMF)
流動性資産・その他 2万円(MRF)
日経平均株価など指数(インデックス)連動型の株式投資信託ならばおおむね1万円から買えます。なるべく手数料の安いものを選びたいですね。
個人向け国債も1口1万円から買えます。海外債券は米ドルのマネー・マーケット・ファンド(MMF)などで対応できます。
過去の実績を考えると、この資産配分例で年率5%程度のリターンを目標とするのは決して無理な話ではないはずです。最悪の年でも、10万円が8万円台に減る程度の損失で済むことになります。
小額で試してみて感触をつかんだら、余裕資金の範囲内で徐々に金額を増やしてみましょう。
1000万円の場合の配分例:
・日本株式(300万円) 日経平均連動型ETに200万円、アクティブ型日本株投信に100万円
・日本債券(100万円) 個人向け国債
・海外株式(200万円) 海外株式インデックス投信に160万円、BRICsなどのアクティブ型投信に40万円
・外国債券(200万円) 米ドルMMFに140万円、ユーロMMFに60万円
・その他(200万円) J-REITなどに120万円、MRFに80万円
日本株式の中心は日経平均連動型などの株価指数連動型上場投信(ETF)。最低投資金額は通常十数万円かかるものの、普通のインデックス連動型投資信託より手数料が安いのが特徴です。
外国株式の一部は新興経済国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に投資する投信にしてみました。
(資産配分を始めた後は)定期的に資産の状況を確認して、配分比率が大きく変わったらそれを修正します。これをリバランスといいます。内藤さんは「リバランスは頻繁にやりすぎるとコストばかりかかって非効率になる。1年に1回くらいのつもりで」と勧めています。
リバランスにはいくつかやり方があります。例えば日本株式相場の上昇で日本株部分の比率が当初の30パーセントから40パーセントに上昇したとします。
この10パーセント分を売却して、その分を他の資産の購入に充てるのです。もっとも、厳密に比率どおりにリバランスすることはできませんので大まかに考えましょう。

記事の冒頭に出てくる、投資家の陥りやすい罠について。最初の資産を分散させないことがリスクをとりすぎることになるということは、投資の世界ではよく言われます。

「卵を一つのかごに入れるな」と言われます。たくさんのたまごを一つのかごに全部入れてしまうと、転んだりしたら全部割れてしまいます。そこで、いくつかのかごに分けていれましょうというのが資産を分散させる投資法の考えです。

日本でも昔から「三分法」という投資法が言われてきました。資産をお金、証券、不動産に分けておけという方法です。

例えばインフレになったとき、実質的にお金の価値が下がり、物やサービスの値段が上がります。そこで、お金の価値は下がりますが、証券や不動産の値上がり分で相殺できるというわけです。

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デフレのときは逆になります。つまり、三分法で資産を分けておけば、インフレにもデフレにも(ある程度)対応できるわけです。


アセット・アロケーション

記事中の資産配分(アセット・アロケーション)も同じ考えです。この記事にあるのですが、過去35年間のデータから算出した1年間の平均的なリターンと最低のリターンは、日本株がリターンの平均が+9.9パーセントですが、最低の年は-41.5パーセントになってしまいました。

つまり、インデックスに完全に連動する投資信託に仮に投資したとして、毎年平均9.9パーセントの利回りになるのですが、ときに4割以上もマイナスになってしまう年もあったということです。

そして、記事中の内藤さんは株式はこのようにリスクの高い動きをするので、日本株だけでなく他の金融商品も含めたポートフォリオを作り、リスクを軽減させようとおっしゃっているのです。

記事にインデックスを安定して上回る運用ができるのはプロでも2割程度とあります。

投資信託で気をつけなくてはならないのは、TOPIX(トピックス)などのベンチマークを下回らない運用を目指している投資信託というのは、あくまでもベンチマークとの比較でしか語られていないということです。

例えば、トピックスがある年に5割下落したとしても、その投信の基準価額が4割しか下がっていなかったら、運用担当者は「ベンチマークを下回らなかった」と胸を張るのです。

確かにベンチマークを下回ってはいません。しかし、投信の基準価額は4割も下がっているのです。これではベンチマークとの比較がどうであれ、その投資信託を買わないほうがはるかに良かったということになってしまいます。

つまり、上記の例でベンチマーク(インデックス)よりも運用成績が上回った投信というのは、2割程度しかないということです。それなのにそうしたベンチマークを上回った運用成績を上げた投資信託でも4割下落してしまっているのです。

そのため、投資信託を購入して利益を得るのは難しいことだといわざるを得ません。

次に、感情に支配されて早めに利益確定しすぎる一方で、値下がりした株は売らずに(損切りせずに)放置して塩漬けにする、というのはよくあるパターンです。

といいますか私も危うくこうなりがちです(笑)。そのためには損切りは1割下がったら必ずする、というようにルールを決める方法がありますが、この記事では上手な資産配分をすることで感情に支配されないようにしようというわけです。


ポートフォリオの解説

さて、過去のファンドを分析したら、その8割弱が、成績が資産配分の良否によって決まっていたとあります。

ただ、この点については一言申し上げたいです。それは、この分析はあくまでもファンドについてのものです。ファンドはほとんどのものが複数の銘柄や複数の金融商品に分散して投資をします。

しかし、個人投資家は必ずしも分散投資をしなくても、当サイトのダブル平均法やPBRシンプル法のように一つの銘柄に絞った投資もできるわけです。

そうした投資法の場合には、資産の配分がどうこうというよりも、銘柄の選び方や売買のタイミングなどの方が圧倒的に重要です。

すなわち、ポートフォリオを組んで投資する場合には資産配分の仕方が約8割の重要性を持ちますが、投資法によっては売買のタイミングなどの方が重要なこともあるということです。

記事のその後に出てくる、資産配分が重要なのはプロの間では常識という点も、プロは運用金額が大きいのでアセットアロケーション(資産分散)による投資になりがちですが、個人投資家には必ずしも当てはまらないと思います。

次に、この記事では投資はあくまでも余裕資金で行うべきだと強調しています。この点は非常に好感が持てます。私も同様のことを株式投資の鉄則2 余裕資金で行うで書いていますので参考になさってください。


内藤氏のポートフォリオ

続いて、内藤さんのポートフォリオ(資産配分の内容)が紹介されています。この配分では過去35年間で1年の平均リターンが6.9パーセント、1年の最低リターンが-12.7パーセントだったそうです。

これはなかなかよい運用利回りですね。私は資産を株式や債券などに分散させて運用する投資法にはあまり興味がなかったのですが、この数字をみて分散投資法を見直しました。

上記の数字は、最低の場合-12.7パーセントの利回りになってしまう年もありますが、平均すれば毎年7パーセント弱の利回りが得られるということです。

普通預金で利息が0.1パーセントにもならない今、この利回りはたいしたものです。

仮に運用期間中にマイナス13パーセントという損がある年に出てしまっても、運用を続ければ毎年平均約7パーセントの利益が出るのですから、何年かでマイナスは取り返せることになります。

これなら運用も安心してでき、長続きもしそうです。ただ、この数字はあくまでも過去の平均であることにはご注意ください。

さて、記事に紹介されているポートフォリオの例です。まず全体の割合ですが、日本と外国の株式投資信託が合わせて全体の半分という割合です。

株が半分ということは、けっこうアクティブな(積極的な)資産配分ですね。そして債券が3割、残り2割がMRF(利回りが銀行の普通預金よりはすこし良い程度だが、ほぼ元本割れのない投資信託)です。

ということは、ハイリスク・ハイリターンの株式が半分、安全性の高い債券などが半分というバランスの取れたポートフォリオです。

このポートフォリオを詳しく見ていきますと、まず株式については個別銘柄ではなく投資信託になっています。個別銘柄に投資するのは銘柄選びや倒産のリスクなどを考えなければならず、それなりの知識が必要となります。

その点、投信なら倒産して価値がゼロになる心配はありませんし、銘柄を自分で選ばなくてよいので初心者にも始めやすいです。


日本と外国株に分散

次に、日本株と外国株両方の投資信託を組み合わせています。これは例えば外国企業の好調さに押されて日本企業が苦戦しているときなどにリスクヘッジができることや、外国株は新興国に投資するものでは高い利回りが期待できることを狙ってのものでしょう。

ただ、世界同時株安になれば日本株も外国株も値下がりしてしまいますので、そうしたときにはリスクヘッジにはならないので注意が必要です。詳しくはポートフォリオは安全かをご覧下さい。

もっとも、そうしたリスクも考えてこのポートフォリオには安全資産である債券やMRFも組み入れてあるのでしょう。

日本債券は定番の個人向け国債が利用されています。しかし、私は国債はローリスク・ハイリターンだと思っていますのでおすすめ(お勧め)はしません。

その場合、日本債券は格付けの高い企業の社債を買うか、日本債券を止めて外国債券の割合を2割から3割に増やすか(ただしハイリスクな債券に投資するものは避ける)、銀行の定期預金にする方法が考えられます。

日本国債は元本が保証されていませんが、銀行の定期預金なら1000万円までは元本が保証されます(詳しくは預金保険制度を参照)。そのため定期預金のほうがよいと私は思います。

外国債券はアメリカドルのMMFです。ここでのMMFはマネー・マネージメント・ファンドではなく、マネー・マーケット・ファンドです。

安全性が高く、利回りも日本のMMFよりも良いことが多いですが、元本割れも最近発生したそうですのでその点は要注意です(参考:wikipedia)。

外国債券の投資信託については、複数の国の国債(ソブリン)に投資するものもあります。こうした投信を選ぶときにも、利回りは高いがリスクも高い国債には投資しないものを選んだほうがよいです。

ちなみに日本の国債は利回りが低くてリスクが高いと私は思っています。困ったことです。

最後のMRFは銀行の普通預金より若干利回りの良い、安全性の極めて高い投資信託です。このMRFの部分も銀行の定期預金に代えたほうが(利回りによりますが)よいかもしれません。


リバランスとは

引用記事中にこの資産配分例で年率5%程度のリターンは無理な話ではないとあります。確かにデータで1年平均リターンが約7パーセントとあるので、十分狙える数字だと思います。

資産1000万円の場合のポートフォリオについて。資産が多い分、最低投資金額の大きなETFも扱えるようになっています。

日本株式の1/3はアクティブ型の投資信託にしてあります。これについてはリスクとリターンが高くなりますので、安全性を求めるならパッシブ型を選んだほうがよいでしょう。

外国株式の一部はBRICs(ブリックス)に投資する投資信託になっています。この記事は05年に書かれたものですが、2010年現在でもこれらの国は新興国として注目されています。

これら新興国への投資信託の割合が少なくされているのは、やはりハイリスク・ハイリターンだからです。

その他では、J-REIT(日本の不動産投資信託)に一部が投資されています。リートは今のところ年間利回りも比較的高いものが多いです。

次にリバランスについて。私は記事のような分散投資型の投資法では、利益確定や損切りはどうするのかな、と思っていましたが、リバランスという方法があるのですね。

記事で紹介してあるのは、例えば株式投信が値上がりしたら売却して利益確定し、その利益で他の資産の購入に充てるという方法です。

ということは例えば債券やMRFのような安全性の高い商品を買ったほうがよいでしょうね。というのは、儲かったお金でさらに株式投信を買い増ししたりすると、リスクが高いポートフォリオになってしまうからです。

ところで、平均すれば一定のリターンが見込めるそうですからあまり心配はいらないでしょうが、損切りはどうするのでしょうか。いくらポートフォリオを組んでいても、例えば株式投信が大きく値下がりするということはありえます。

記事には、資金に余裕があれば比率が減っている部分の資産だけ買い足すという方法も紹介されています。ということは、株式投信が大きく値下がりしたときは安くなったところで株式投信を買い増すということになります。

これはナンピン買いとおなじ理屈で理にかなっていますが、下がっているところで買い増しをするのはなかなか勇気のいることです。

この方法の場合、損切りはしないということでしょう。まあ、過去のデータからして平均すれば一定のリターンが確保できるわけですから、それを信じれば下がったところでの買い増しもできるのかもしれません。

これらを考えると、リバランスという方法は利益確定や下がったところでの難平(ナンピン)買いも含んでいるので、なかなか優れた方法だと思いました。

ちなみに私の考案した確定拠出年金向けのポートフォリオでは、引用記事のポートフォリオよりもさらに安全性の高い資産配分をご提案していますので参考になさってください。

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