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分散投資の効果が薄れた理由1 日本国債中心のポートフォリオの実例

分散投資の効果が薄れた理由1 日本国債中心のポートフォリオの実例

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(日本経済新聞12/4/25の要旨)国内外の株式や債券などに資金を振り分ける分散投資は資産運用の基本とされる。ところが近年は国内外の資産が一斉に値上がりしたり値下がりしたりする局面が増え、分散効果がおもうように効かなくなってきた。

2000年代半ば以降、日本株の値動きは外国株だけでなく、外国債券やコモディティー(商品)とも連動性を強めている。

連動性が低く、分散投資で日本株と相性がよさそうなのは国内債券だが、その組み合わせではあまりリターンは期待できそうにない。

なぜ世界中の資産価格は同じような動きをするようになったのか。まず、グローバル化の進展だ。さらに為替相場の影響も考えられる。

個人投資家はどうしたらいいだろう。ニッセイ基礎研究所の井出真吾・主任研究員は「市場の変化に合わせて分散投資の方法も見直すべきだ」と主張する。

従来、資産の構成比を決める方法として使われてきたのは「平均分散モデル」という考え方。これはリーマン危機時のような特異な値動き(テールリスク)を想定していないうえ、投資のリスクを「平均的な値動きからの上下のブレ」ととらえるなど、投資家の実態に合わない面もある。

そこで、資産が値下がりするときだけをリスクととらえるなど前提条件を買え、下振れに強い組み合わせを実現しようというのが井出氏の考え方。

その一例のポートフォリオは、日本国債57%、先進国国債22%、新興国株式20%、コモディティー1%というものだ。

最も安定した値動きを示す日本国債が過半を占める。そのうえで目標利回りを達成するため、期待収益率が高くリスクが低い先進国債券と、日本国債との連動性が低い新興国株式を組み入れている。

こうした資産をコストが相対的に安い指数連動型上場投資信託(ETF)などで運用する、というのが井出氏の提案。

もっと手軽な方法として、JPモルガン・アセット・マネジメントの鈴木英典・投資戦略ソリューション室長は「投資対象を安全資産とリスク性資産の2つ」に分けるだけで十分な分散効果がある」と主張する。

同氏の方法は最初に投資でどれだけの損失までなら心理的に耐えられるか、その金額を決めることから始める。そのうえで、リスク性資産はリーマン危機時の経験などから最大で半分に下落すると前提し、許容できる損失額からリスク性資産の投資額を逆算する。

投資対象はすべて海外資産。「円ベースで手にする給与などの所得は日本経済の成長に連動するので、投資は全て海外に回す」という理屈だ。(要旨終わり)

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分散効果が減った

私は複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオを作るという方法は今は行っていませんが、参考になる記事でした。

まず、分散効果が薄れている件について。分散投資をする目的は、違う値動きをする傾向にある金融商品を組み合わせることで、一つが下がっても他が上がることでリスクを軽減するというものです。

例えば日本株投信と外国株投信を買っていれば、日本の株価が下がっても海外の株価が上がることでリスクを減らすことができるという考えです。

ただ、最近は日本株が外国株、外国債券、商品(金や銀、原油、大豆や小豆などの穀物など)と連動性を強めているとあります。つまり、これらが似たような同じをするようになってきたということです。

例えば株式と債券は、一般に相反する値動きをすると言われています。なぜなら、株価が上がれば多くの人が株を買います。そうすると、債券を買う人が減るので、金利が上がり、発行済の債券は価格が下がるからです。

日本株と外国債券ならなおさらでしょう。

株価と商品も一般に違う値動きをすると言われています。例えば金は、金融危機で株価が下がるときに安全資産として買われるので、値上がりしやすいです。


グローバル化の影響

ところが、そうした互いに違った値動きをする傾向(=連動性が低い)と言われてきた金融商品も、連動性が高まっているというのです。これでは分散投資の効果が減ってしまいます。

なぜそうなったのでしょうか。第一にグローバル化(経済の世界規模化)があると指摘されています。ちなみに、よくグローバリゼーションはアメリカの陰謀だという説があります。

私には陰謀かどうかはわかりませんが、多くの国が市場経済を導入している以上、グローバル化の流れを止めることはできないでしょう。もしその流れに背を向ければ、日本はそれこそ孤島になってしまいます。

さて、グローバル化によって各国の経済が連動性を強めたために、それが相場にも影響しているというのは納得がいきます。

第二に為替相場の影響が挙げられています。具体的には国内外の金利差縮小などで、円建てで見た海外資産の価格はこれまで以上に円相場の動向にされるようになったと書いてあります。

金利差が縮小している通貨は、日本円と米ドルがいい例ですね。金利差が縮小すると、金利の低い円を売ってドルを買おうという動きが減ります。

すると円高(ドル安)になりやすくなり、海外資産の価値が実質的に下がるということでしょうか?この部分はよくわかりませんでした。まあ、少なくともドルの金利が高くなれば、ドルを買うために海外から資金がアメリカに流入するので、景気がよくなって海外資産の値段も上がるということはありそうです。


リスクの捉え方

このように分散投資が以前のような効果がないということになると、そのやり方を再考する必要があります。

平均分散モデルというのはややこしくて私はよくわかりませんが、投資のリスクを平均的な値動きから上下にブレることとしているのは、私も以前からおかしいと思っていました。

私達投資家にとっては、利益がすべてです。平均的な値動きからどれだけぶれているかということは、ほとんど関係ありません。買っているなら、上がれば上がるだけよく、下がったならその幅が少なくないといけません。

はっきりいえば、机上の空論です。投資信託でも例えば日経平均株価の値動きを上回る値動きだったとかベータ値とか出てきますが、投資家にとっては買った以上はそこから上がらないと意味がありません。損が出るだけです。

ベンチマークである日経平均が下がっているときに、ある投資信託が日経平均ほどは下がらなかったとしても、損失が出ていることには変わりが無いのです。

そこで、井出氏は資産が値下がりするときだけをリスクととらえるという前提にされて、ポートフォリオを提唱されているようです。これはよい考えです。


井出氏の提唱するポートフォリオ

そのポートフォリオですが、年間の目標収益率は2.7%です。半数以上を占める日本国債は最も安定した値動きを占めるという理由で入れられています。

さらに利回りを高くするために、リスクが低い先進国債券と、日本国債との連動性が低い新興国株式も入っています。

日本株は値下がりリスクが大きい割に期待収益率が低いとみなされて除外されています。

私の考えを述べますと、まず日本国債が多いというのは疑問です。私は日本国債はリスクが高いと考えているからです。ただ、個人投資家が買うのであれば個人向け国債となりますが、5年物あたりでしたら、まだ日本は財政破綻しないと思います。

私は日本が極度の借金まみれであり、財政再建が遅々として進まない現状を見ると、日本国債が安全資産だとはとても思えません。というわけで、短期で考えれば日本国債はまだ大丈夫でしょうが、それ以上長いスパンとなると、日本国債を大量に買うことはおすすめしません。

一方、先進国の国債は発行する国にもよりますが、例えばユーロ圏の諸国は最近の債務危機を受けて、財政再建に取り組んでいます。借金の少ない国の国債であれば安全性は高いでしょう。

新興国株式は高い経済成長が見込めるので、有望そうです。日本株は値下がりリスクが大きいとありますが、これだけ日経平均株価が低迷しており、市場全体の平均PBRも低いので、そんなことはないと思うのですが…。

日本株の、割安(かつ好財務)な銘柄を当サイトなども参考にされていくつか保有するというのは面白いと思います。確かに株式はリスクがありますが、日本国債ならノーリスクというわけでもないでしょう。

まとめますと、井出氏のポートフォリオは日本国債が多いので、中長期的には疑問を感じてしまいます。日本国債の代わりに私なら先進国国債を増やしたり、日本企業の社債で安全性の高いものにするでしょう。債券は満期までの期間をあまり長くしないほうがよいでしょう。
続き:分散投資の効果が薄れた理由2 すべて海外資産のポートフォリオ

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