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割安株投資が通用しなくなった?(1) 株価が上がらない理由

割安株投資が通用しなくなった?(1) 株価が上がらない理由

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(日本経済新聞12/7/4の要旨)「PBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回り割安だと思って買っても、実際には株価がなかなか上がらない」。ある国内証券の運用担当者は、戸惑いを隠さない。

PBRが1倍を割ると、株価が解散価値を下回っていることになり、一般に割安と判断できる。

PBRが低い銘柄をバリュー(割安)株、業績の拡大期待から買われる銘柄をグロース(成長)株と呼ぶ。日本ではバリュー株への投資が相対的に良好な運用成績を上げる時期が続いてきた。

2009年以降ではバリュー株の優位性が薄れた。

東京証券取引所1部の全銘柄の平均PBRも5月から1倍割れが続いており、現在も約7割の銘柄が1倍を割っている。

08年秋のリーマン・ショックを機に、PBRに対する見方が一変した。厳しい経済環境の中赤字決算になる企業が相次ぎ、PBRを計算する基になる純資産が減る例が増え、投資尺度としてのPBRの有効性が低下した。

昨年以降は欧州債務問題の深刻化なども重なり、バリュー株投資を得意とする海外ファンドでさえ、リスク回避の姿勢を強め日本株を手放す動きに出た。

PBRの低さだけでは安心できなくなった投資家が今、注目しているのが配当や企業の手元資金といった「キャッシュ」だ。株価が上がらなくても、配当で運用利回りを上げる戦略だ。

投資家の配当への関心の高さを映し、高配当利回り株を対象にした株式投資信託の設定が昨年から相次いでいる。

6月中旬に野村アセットマネジメントが設定した「野村日本高配当株プレミアム」が当初集めた資金は合計288億円に膨らんだ。

株主配分への意識の高まりで配当を増やす企業が増えているうえ、最近の株価低迷も影響し、東証1部の配当利回りは2%台と長期金利(0.8%台)を大きく上回る。

企業が保有するキャッシュに対する注目度も市場では高い。特に、企業の現預金など手元資金から、借入金などを差し引いた「ネットキャッシュ」が話題になることが多い。

企業にとっては返済義務がない余剰資金だ。(要旨終わり)

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投資スタイルの変化

うーん、PBRが大好きな私にとってはなんだか残念な記事でもあります。これまでは有効なことの多かったバリュー株投資(割安な株を買う株式投資のスタイル)が、今は人気がないというお話です。

PBRはその企業の資産価値に注目した指標です。ここが、どれだけ効率的に利益を出しているかを示すROEや、利益と株価の割合を示すPERと異なるところです。

単純に言えばPBR1倍で、その企業の解散価値と同じということになります。そのため、1を割った企業は割安だと判断できるのです。

ところが、そのPBRに着目した株式投資法がなかなか効果を出せないというのです。その理由を端的に言えば、株価が上がらないからということになります。


株価が上がらない理由

これまでは、PBRで割安な銘柄であれば、「この銘柄は安い」と考える投資家が増えるので、買われて値上がりするという傾向があったわけです。ところが、今では割安でも買われないので、株価が上がらないというわけですね。

その背景にあるのは、リーマン・ショックによる金融商品への不振、あるいはギリシャやスペインなどの欧州債務危機、それによる円高などです。

最近では英国などの銀行が、銀行間取引の金利であるLIBORを不正に操作していたことも話題になっています。

こうしたことから金融不安、あるいは円高による国内経済の不振につながり、投資マインドを冷え込ませているので株が買われず、株価が上がらないというわけですね。

現在も東証1部の平均PBRが0.8倍くらいだそうですので、異常な株安といえます。

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グロース株投資は

ところで、割安な株を買うバリュー株投資すらこの不調ぶりなわけですから、業績拡大を期待して比較的割高な銘柄であっても買うグロース株投資は、さらに苦戦を強いられるでしょう。

私はグロース株はやりませんが、最近は特に銘柄選びが難しいでしょう。IT(情報技術)の普及によって、それまでの小売業や広告業などにも大きな変化が起きました。

しかし、そのIT関連株も、パソコンの販売は伸びず、ブロードバンドもかなり普及し、グリーやDNAといった携帯電話向けのゲームも伸び悩んでいます。

SNS(ソーシャルネットワークサービス)のフェイスブックも効果的な広告を出すのがなかなかできず、利用者の満足度も下がっているとか。これから有望な業種ってなんなんだ、と思ってしまいます。

そんな中、私がこれは有望だと思っているのは、インターネットセキュリティ関連の銘柄です。トレンドマイクロなどですね。

インターネットは今後もインフラとしての重要さを増します。その一方でセキュリティー対策はウイルスやスパイウェアなどがどんどん現れるので、今後も重要だからです。

また、日本は企業も政府もサイバー攻撃への対策が非常に遅れているようです。インターネット・セキュリティ業界は今後も繁盛すると思います。
続き:割安株投資が通用しなくなった?(2) 低PBRなら配当狙いにもなる

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