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沢上篤人「個人マネーが日本を救う」の感想

沢上篤人「個人マネーが日本を救う」の感想

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日本経済新聞にさわかみ投信社長の沢上篤人氏の「個人マネーが日本を救う」という記事が掲載されていました。その感想を書きます。

(日本経済新聞10/5/3から引用、抜粋)

1970年代から80年代初めごろの英国や米国のひどい落ち込みぶりをみてきた経験から言わせてもらうと、日本の現状は信じられないほど豊かに思える。
当時の英米の人々の生活はみるも無残だった。
それが、サッチャー首相とレーガン大統領の登場で状況は変わった。徹底的な民営化や規制緩和政策と大幅減税を打ち出して3年後ぐらいから両国経済に活気が戻り始めた。
そこから長期間にわたって高い経済成長を遂げた。
ひん死の病床にあった英国も米国も見違えるほどによみがえり、国民1人あたりの国内総生産(GDP)で日本を抜き去ってしまった。
日本の場合、優れた政治家の出現を待つまでもない。当時の英米にはなかった武器、GDPの1.6倍という巨額の預貯金マネーが個人や家計の手元にある。
その5パーセントでも長期の株式投資に回るだけで40兆円が動き、株式市場は大活況となる。株価上昇は資産効果と心理効果をもたらすから、個人消費も企業の投資活動も驚くほど活発になる。
その結果、日本経済は個人マネー主導で活性化するはずだ。

沢上さんは好調な運用で有名な「さわかみファンド」の設定者です。さわかみファンドは株式の長期投資をスタンスとしています。

私は昔のイギリスやアメリカの経済事情に詳しくないのですが、70から80年代は両国ともそんなに苦しかったんですね。

それがサッチャーさんとレーガンさんによって見事再建されたということです。徹底的な民営化、規制緩和政策というとやはり日本では小泉純一郎氏を思い出しますね。

大幅減税という点は、アメリカのオバマ大統領も公約に掲げていましたが、その後実施はされたのでしょうか。

日本でも10年5月現在、与党も野党の一部も法人税の減税を考えているようです。ただ、巨額の負債に苦しみ日本の場合、消費税を上げるのは避けられないでしょう。そうしますと景気浮揚策に果たしてなるのかは疑問です。

ただ、日本の法人税は40パーセント超と先進諸国でも一番高い税率です。これでは海外企業はもっと法人税の安いところに行ってしまうでしょう。やはり法人税の引き下げは考えた方がよいのではないでしょうか。

個人的なことを言えば、やはり一時的でも大幅減税はしてもらいたいです。

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個人マネーが投資に向かうか

さて、沢上さんは日本国民の預貯金マネーの5パーセントでも株式投資に回れば、株式市場が大活況となるとおっしゃっています。

確かに株を買う人が少ないから株価が上がらないわけですから、多くの人が少しずつでも株を買えば株価が上がります。

持っている株の値段が上がれば資産が増えますし、資産が増えればお金に余裕が出来てその分が消費に回ります。そうなれば経済が活性化するとは当然というわけです。

なるほど、説得力のあるお話です。しかし、疑問を感じるところもあります。

私は沢上さんの著書は読んだことがないので、氏のすすめておられる投資法についても知らないのですが、やはり長期投資をすすめておられるのでしょう。

私はダブル平均法のように、短中期の投資をしています。

もちろん長期投資のメリットもある程度は知っています。配当狙いで経営基盤の安定した銘柄を買えば、何十年も保有していれば配当だけでも大きなものになります。

例えば、配当の年間利回りが3パーセントの銘柄を33年保有すれば約100パーセントの利益になりますので、その銘柄の株価がたとえ半分になってしまっても、差し引きで損はしません。

そのため、株価の変動をあまり気にしなくても、株式投資である程度の利益を得ることができるだろうということになります。


○長期投資もなかなか難しい

しかし、長期投資が必ず成功するかというと、そうではないと思うのです。例えば高い配当利回りの銘柄を買っても、その利回りがずっと続く保証はありません。

また、株価が一時的に下がっても配当益で補えるから売らずに持ったままにしておこうと思っても、例えば株価が半分になっても売らずにおくのはかなりの心理的負担です。

そういったことから、私は長期投資ではなく、短中期投資をしています。

記事には長期の株式投資と書いてあります。しかし、国民の多くが元本の保証されない株式投資に預貯金の5パーセントを使うというのは、投資で利益を出すことの難しさから、なかなか実現困難かな、と思います。

もちろん個人マネーが少しでも経済が活性化するのは間違いないと思いますが、国民の多くが抱えるであろう巨額の財政赤字、年金制度や健康保険制度などへの不安などを考えると、「貯蓄から投資へ」の実現は難しそうです。

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