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国債暴落やハイパーインフレから資産を守る方法

国債暴落やハイパーインフレから資産を守る方法

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日本はご存知のように、財政が非常に悪化しています。そして、菅直人内閣はなるべく赤字国債発行額を少なくしようとしましたが、それでも11年度の国債発行は44.3兆円になってしまいました。

赤字国債発行が税収を2年連続で上回るという異常な事態です。

なお、11年3月には東日本大震災が起きてしまい、経済だけをみても甚大な損害が出てしまいました。例えば東北地方の農業への損害が1兆円近いそうです。

ちょっと話はずれますが、国は財政規律を厳格に守って借金は極力増やさないという考えと、赤字国債は国の資産を増やすのだから、どんどん借金してもよいという考えとがあります。

後者の説には私は疑問を感じますし、国も決して借金を増やすのがよいことだとは考えていなかったと思います。小渕恵三内閣が景気回復のために赤字国債を発行したとき、時の大蔵大臣だった宮沢喜一氏は、将来この国債発行は批判を受けることを覚悟していたそうです。

ただ、現実にずるずると国の借金は増え続け、現状があるわけです。そして、今回の大震災の復興には巨額の財源がさらに必要になります。

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○国は財政規律を守るべきだった

こうしたことを考えると、やはり国は財政規律を守り、借金をこしらえるどころか災害などに備えて蓄えておくくらいでなければいけないと私は思います。

無論、こうした考えには経済成長を妨げるという批判もあるでしょう。例えば企業経営でも、借金をして事業拡大をする(財務レバレッジをかける)方が、無借金経営よりもよいという意見もあります。

しかし、いざ何かが起きたとき、たくさん借金をしている会社はすぐにピンチが訪れてしまいます。借金なら銀行などに返済を猶予してもらえばよいかもしれませんが(もっとも銀行が受けてくれればですが)、手形を落とせなかったら2度目の不渡りで銀行取引停止、すなわち倒産になってしまいます。

こうしたことを考えると、借金を増やして事業拡大というやり方は何もなければよいですが、震災などが起きてしまえば危ういのではないか、と思います。

ちなみに松下幸之助氏も、自己資金内で商売をすることをすすめておられます。これは国にも同じことが言えると思うのです。

さて、余談が長くなってしまいましたが、今回の東日本大震災は別にしても、日本の財政が危機的状況にあることは間違いありません。


○借金が増えれば破綻リスクも増える

そして、借金が増えれば増えるほど、第一に国債利払い費が増えます。第二に、累積債務が多すぎると、国債の引き受け手が、リスクが高いことを警戒して、その分高い金利を求めるようになります。

加えて、今はまだ国債を銀行や保険会社などがたくさん引き受けていますが、今後少子高齢化によって国民の預貯金が減っていけば、銀行などの金融機関が国債を引き受けるための原資も減るわけです。

するとどうなるでしょうか。国債の引受け手が減る一方で引き受け手が高い利率を求めるのですから、国債の利回りは急上昇するでしょう。

その結果、国債利払い費はさらに膨れ上がることになります。財務省の試算では、確か利回りが1%上がると、国債費は4.5兆円ほど増えるそうです。

そうなれば、現在でも毎年20兆円以上もかかっている国債費が増えるので、国の予算を圧迫してまともな予算が組めなくなる恐れもあります。

そうならないうちに、消費税を上げて税収を増やし、基礎的財政収支のマイナスをなるべく減らし、早くプラスに持っていく。そうしなければ、借金は減らせません。

借金を減らせなければ、少なくとも国債費も減らせません。するとそれをまかなうためにまた赤字国債を発行しないといけないのです。

というわけで、国はもっと早く、累積債務を減らすために消費税率アップをすべきでした。


○財政再建への取り組みを期待するが

とはいえ、今それを言っても始まりません。現在政府与党は大震災への対応で手一杯でそれは仕方がありませんが、それに一定の目処が付いたら、財政再建にも取り組んでもらいたいと思います。

ただ、これだけ財政再建への国の対応が鈍いことを考えると、財政破綻は現実に起きてしまうのではないか、と気がかりでなりません。

もちろんそうならないことを願っていますが、いざ財政破綻やそれに近いハイパーインフレになってしまったときには、国など頼りにできません。

その時に備えて、自分の資産を防衛する方法を考えておくことは必要だと思います。


○資産を守る方法

まず、日本国債は買わないことを強くおすすめします。個人向けのものは5年で償還されるものもありますが、例えば私の信頼している小黒一正氏は2020年にも財政破綻はあり得るとおっしゃっています。

それを考えると、今から国債を買うのはリスクが高すぎると思います。なにしろ国が財政破綻を免れるために紙幣をジャンジャン刷れば、ハイパーインフレになって国債の実質的な価値も暴落するからです。


○日本円と預金

次に、円も価値が暴落するでしょう。財政破綻になってしまえば、円に対する信認が失われるからです。おまけにハイパーインフレになれば、食料の多くを輸入にたよっている我が国では、食べ物の値段も急騰してしまいますから、その意味でも円の価値は暴落します。

また、銀行などの預金を1000万円とその利子まで元本保証してくれるペイオフ(預金保護制度)も完全には信用できません。なぜなら、ペイオフ制度は政府の保証する債券で運営されているそうだからです。

加えて、既発国債の暴落によって、銀行や信用金庫などの破綻が相次ぐことが懸念されます。大量に国債を保有している銀行などの自己資本が大きく目減りするからです。

すると、たくさんの金融機関の破綻に対応しなければならないので、それだけでもペイオフは持たないと思います。

そうすると、非常に困ったことになりますね。円も銀行預金も駄目ということになってしまいます。


○金などの貴金属

そこで、まず資産防衛のための筆頭に挙げられるのが、金地金です。金は有事の金とも言われ、それ自体に高い価値があるので、安全な資産の代名詞でもあります。

あるいは白金(プラチナ)、銀などの貴金属もよいでしょう。

金を買うには、貴金属商などで買うというのが一番身近な方法です。倉庫で保管してくれるサービスもあり、安心です。

もう一つ、商品先物取引で買うという手段もあります。この場合、現受けができるところでないといけません。現受というのは、決済期限が来たら金地金の現物を受け取るという決済手段です。

金については、ETF(上場投資信託)を買うという手段もあります。現物と交換可能なものを除き、現物を手元における訳ではありませんが、もし財政破綻やハイパーインフレになってしまえば、日本国民の多くが金を買うでしょうし、世界経済への悪影響を懸念して外国人投資家も金を買うでしょう。

すると、金ETFは値上がりします。また、日本でのインフレもある程度反映するので、ETFの基準価額はそれだけ値上がりするはずです。

なお、金ETFで現物と交換できるものには例えば三菱UFJ信託銀行のものがあります。

なお、前述のようにいよいよ日本の財政が本当に危ないとなれば、多くの人が金を買おうとするでしょう。すると、既に値上がりしたところで金を買わないといけなくなります。

そこで、もしもの時に備えて金を買うなら、早いほうがよいといえます。ただ、今から全財産を金に換えるというのも現実的ではありませんので、資産の一部(例えば半分)を金にするというのがよいと思います。

そして、金を買うのは値上がり益が目的でなく、財政破綻に備えるためのものですから、ある程度損失が出てもそれは仕方がありません。


○スイス・フランなどの外貨

次に、スイスフランなどの通貨を買っておくという方法があります。信頼できる外貨なら何でもよいのですが、スイス・フランは有事の際に買われる通貨として有名です。

また、スイスは永世中立国で政治も安定しており、金融センターとしても信頼が高いです。そのため、円の一部をスイスフランに替えておくのはよい案だと思います。

したがって、前述の金(あるいは白金などの貴金属)ETFも、金地金を手元に置いておくよりは証券会社破綻というリスクはあるかもしれません。

スイス・フランなどの外貨を買うなら、銀行での外貨預金かFXということになります。銀行の外貨預金はペイオフの対象にならず、銀行が破綻したときに大丈夫かという懸念はあります。

外貨を現金で引き出して、手元においておけば大丈夫です。ただ、金地金でもそうですが、盗難などを防ぐ手立てが必要です。

FXは、外貨預金より手数料が安いことが多いので魅力的ですが、FX業者が破綻したときはどうなるのでしょうか。

まず、店頭取引については業者に分別保管と全額の金銭信託が義務付けられています。そのため、業者に万一のことがあっても大丈夫です。信託銀行が破綻しても、顧客の財産は差し押さえなどの対象にはならないので大丈夫なはずです。

次に、取引所FX(くりっく365、大証FX)では顧客の財産は取引所に預託されます。そのため、この場合も大丈夫なはずです。

証券会社の場合はどうなるのでしょうか。まず、証券会社は顧客の財産の分別管理が義務付けられており、証券会社が破綻しても原則全額保全されることになっています。

また、それでも顧客に損害が出たときには、基金から損失が補填されることになっています。そのため、まず心配はないと思います。

ただ、国債が暴落したり、財政破綻によって日本株が急落すれば、証券会社も破綻するところが出てくるでしょう。そのときにもきちんと全額保全されるのかどうかは私には分かりません(分別保管である以上まず大丈夫だと思っていますが)。


○どの外貨がよいか

さて、外貨はどれを選ぶかですが、前述のスイスフラン以外にも、アメリカドルやユーロはまず安全だと思います。アメリカも累積債務が増えていますが、日本に比べれば財政破綻のリスクは低いそうです。

イギリスも財政健全化を急いでいます(日本よりよっぽど健全なのに)。そのため、ポンドもよいと思います。

要は、財政破綻しそうにない、財政の健全な発行元の通貨を買えばよいということです。


○商品

あるいは金などの貴金属以外の商品(コモディティ)という手もあります。例えば大豆などの穀物、原油やガソリン、粗糖などです。

これらも金と同じく、それ自体に一定の価値があるため、財政破綻のリスクをヘッジ出来るでしょう。ただ、現物を倉庫に置いておくのは素人には難しいので、差金決済向けに買っておくことになります。


○株式と債券

株式はどうでしょうか。外国株で財務の大丈夫な企業の銘柄ならよいですが、日本株は残念ながら買わないほうが良いでしょう。なぜなら、財政破綻によって日本経済がめちゃくちゃになってしまうからです。

日本企業の発行する社債も同じ理由で難しいでしょう。一方、財政破綻のリスクの少ない(借金の少ない)外国の国債などの債券ならヘッジになります。


○備えることも必要

こうして考えますと、一番やりやすい資産防衛はやはり金などの貴金属と外貨ですね。ただし保管場所は信頼できる倉庫や貸し金庫を借りる必要があるでしょう。

お金持ちの方なら、例えばスイスのプライベートバンクなどを利用するのでしょうが、それができるのは一部の人に限られます。

私は日本が財政再建に取り組み、財政破綻を免れることを心から願っています。財政破綻になれば、日本があらゆる面でひどいことになってしまうからです。

そして、財政再建に向けて政府がどのような対策を取るのか注視しています。一方で、もし国の対応が遅れれば、財政破綻は現実のものになってしまうのではないかという危惧も抱いています。

そうなると、その時に備えることも残念ながら必要だと思うのです。

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