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金融ADRとは、メリットとデメリット

金融ADRとは、メリットとデメリット

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(日本経済新聞10/9/30から引用、抜粋)
金融に関するさまざまなトラブルの素早い解決を目指す金融ADR(裁判外の紛争解決)制度が10/1から始まる。
金融庁が指定する紛争解決機関が第三者として業者と利用者の仲裁に入り、和解案を提示。利用者が納得すれば、裁判より安い費用で短期間に解決できる。
制度の対象は:銀行や証券、保険会社に加えて、貸金業者やファンド業者など金融庁が監督する業者はすべて含まれる。
業者側は、原則として金融庁が指定する紛争解決機関と基本契約を結ぶことを義務付けられる。利用者からADR手続きの申し出があれば応じなければならない。
どのように利用するの:利用が予想されるのは、たとえば商品内容の十分な説明を受けずに投資商品の契約をさせられて損失を被ったケースだ。
こうしたトラブルは、業者との話し合いで解決すれば問題ないが、主張が受け入れられない場合には、ADR機関に仲裁を依頼することになる。
ADR機関は、弁護士や司法書士などで構成する紛争解決委員が、利用者と業者の双方から言い分を聴き、おおむね4ヶ月程度で和解案を示す。
裁判だと解決まで1年以上かかるケースも珍しくないので、それよりも迅速だ。
費用が気になるが:利用者側の負担は無料のところが多い。日本貸金業協会のADR機関だと利用者に2千円から5万円の手数料がかかる。
年末にADR機関の申請を予定する日本証券業協会など5団体でつくる「証券・金融商品あっせん相談センター」も同じ仕組だ。
ただ弁護士への支払いなどを合わせると数十万から数百万円かかる裁判に比べて費用は圧倒的に安く済む。
注意点は:紛争解決機関はあくまで中立的な第三者だ。必ずしも利用者が想定する和解案が出てくるとは限らない。納得がいかない利用者は裁判で争うことになる。
業者側は、提示された和解案を原則として受け入れなければならない。
金融庁関係者は「ADR制度を使っても、利用者が望む結果に完全になるのは、多くても2割に満たないのではないか」と指摘する。
また、消費者金融などの利用者が払いすぎた金利(過払い金)の返還請求は「債務整理」の扱いになるため、原則としてADRの対象にはならない。

(引用終わり)
これは証券会社を利用する個人投資家や、その他銀行、保険、信託などを利用する消費者にとってはとてもよい制度だと思います。

ADRとは、まずは裁判をする前に、中立的な第三者に間に立ってもらって、当事者間で和解をするために話しあうということです。

記事によると、金融庁が指定した紛争解決機関は、将来指定される予定のものも含めると、以下のものになります。

全国銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会、信託協会、保険オンブズマン、日本少額短期保険協会、日本貸金業協会、証券・金融商品あっせん相談センターです。

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こうしてみると、保険料が不当に支払われないという多くの人が遭遇しがちなトラブルや、信託を利用したがきちんと運営されていない場合、また銀行や証券会社などで金融商品を十分な説明を受けないまま買ったところ、損をしたという場合などで利用ができます。

裁判は手間も時間もかかりますし、多くの人はまず弁護士や司法書士(簡易裁判所の場合)を探さなければいけません。とても敷居が高いといえます。

そこで、このADRを利用すれば、上記のようなトラブルが起きても、まずは裁判の前に安い費用で、短い期間で紛争が解決できるかもしれないのです。

そのため、ともすれば弱い立場に置かれがちな消費者を保護するためにメリットが多く、期待できる制度です。

トラブルが起きた際、まずは当事者同士で話しあって解決できればよいのですが、こちらに専門知識がない限り、現実には難しいです。

そうするとこれまでは原則として裁判に持ち込むしかなかったのですが、前述のように費用と時間と手間がかかるので、泣き寝入りする人も多かったはずです。

そのため、このような気軽に利用できるADRが整備されれば、投資家などにとってはトラブルを解決できる可能性が高くなります。証券会社や保険会社なども、今まで以上に法令遵守(コンプライアンス)に努めるようになるでしょう。


利用料金など

証券・金融商品あっせん相談センターのウェブサイトを見たところ、利用料金や手続きの方法が詳しく解説されています。

利用料金は申立金額によって異なるようです。また、利用出来るのは証券、投資信託、投資顧問(投資助言業者など)、金融先物(日経平均225先物など)、商品ファンドに限られています。

受付方法は電話が原則で、ファックスやホームページでも受け付けているそうです。やはり向こうの方と詳しくお話しできるので、電話がよいでしょう。

さて、これらのADR機関は弁護士や司法書士などの専門家が委員をしているので、利用者と業者双方の言い分を聞いた上で、法に則った和解案を提示してくれます。

それに利用者が納得すれば、そこで和解をして終了です。具体的には損失を賠償してもらったりすることになります。

費用は上記の証券取引等の場合で2千円からですので、裁判よりもはるかに気軽に利用できます。はっきりは言えませんが、このADRに掛かった費用も、業者に落ち度があれば賠償してもらえるのではないでしょうか。

和解案が出るまでの期間も、4ヶ月ほどだそうですので、裁判より短くて済みます。裁判の場合、こじれて控訴や上告ということになれば、さらに時間がかかりますので。

ただ、示された和解案が納得できない場合は、裁判になります。しかし、明らかに業者側に落ち度があれば、利用者側が納得できる和解案が示されることも多いのではと期待します。そうなれば裁判をせずに済みます。

最後に、金融庁関係者がADRで完全に解決するのは2割にも満たないのでは、と語っている点について。これはそうお考えになる理由などがよくわかりませんが、確かにADRに過度の期待はしない方がよいかもしれません。

ただ、気軽に利用できるADRが普及すれば、業者としてもしっかり法令を守って営業しなければいけないという意識を持ってくれると思います。これまでよりも利用者からの不服申立てが増えるからです。

その意味でも金融ADRには期待しています。ただ、なによりもトラブルは未然に防ぐのが一番です。われわれ投資家も、無用なトラブルに巻き込まれないように、金融商品の知識を身につけたり、良心的な業者を利用するなどの自衛策が必要です。

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