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虚偽記載で株価下落による損害を被ったら賠償額はどうなるか

虚偽記載で株価下落による損害を被ったら賠償額はどうなるか

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(日本経済新聞11/12/19から引用)オリンパスの損失隠し問題で、金融商品取引法上の虚偽記載による賠償責任が注目を集めている。
運用の損失を簿外に移す「飛ばし」で、同社が有価証券報告書(有報)に虚偽記載していた疑いが強まり、損害を被った投資家が賠償を求めて訴える可能性があるからだ。
過去の裁判例では株価下落の損害分をどう認めるかで判断が揺れた。
虚偽記載の賠償責任については金商法21条が定める。有報の発行者に過失がなくても賠償責任を負わせる「無過失責任」規定のほか、虚偽記載の公表前1カ月の平均株価と、公表後1カ月の平均株価の差額を虚偽記載による損害と推定できるとある。
一方、虚偽記載以外の要因による値下がり分を損害から除外する規定もある。
(中略)金商法の規定で争われているライブドア事件については、地裁と高裁の判断が分かれた。11/30に東京高裁が出した、個人株主らが損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決では、損害認定額を一審の東京地裁の1株あたり200円から550円に大幅に増額した。
機関投資家による同様の裁判でも、一審と比べて二審判決で損害額を広く認めた。
おおまかに言えば、地裁が虚偽記載以外の要因による値下がりを広く認め、推定損害分からそれらを差し引くことで1株あたりの損害が小さくなっているのに対し、高裁は取得したことそのものが虚偽記載と関係があるという立場を取ることなどで、損害額を広く認めた。
ただ、最高裁でこうした高裁の判断が変更される可能性が出てきた。機関投資家が訴えている裁判で、最高裁は弁論を開くことを決めた。
「高裁判決が修正される可能性が高い」(金商法に詳しい弁護士)と見られ、高裁でほぼ全面救済となった株主側にとって、賠償金額がより小さくなる可能性がある。
現行金商法の規定の下で初の最高裁判断であり、オリンパス関係の訴訟にも大きな影響を与えそうだ。

オリンパスは財テクで90年代に1000億円近くという巨額の損失を出してしまい、それが発覚するのを防ぐために飛ばしという手法を使って損失隠しをしていました。

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そのため、現在同社の上場廃止も含めて東証が検討しています。新聞報道によれば、東証も上場廃止になってしまえば投資家に大きな損失が出てしまいし、慎重に判断しているようです。

オリンパスは11/12/14に四半期報告書や訂正したこれまでの決算を提出しました。現在自己資本は450億円ほどあり、以前よりは大きく減りましたが債務超過による上場廃止はないでしょう。

今後一番の注目は、虚偽記載によって上場廃止になるかどうかですが、おそらくならないのではないか、と勝手に予想しています。ただし根拠はありませんのでわかりませんが。

さて、今回の虚偽記載によって同社の株価は大きく下落しました。虚偽記載発覚前は株価が2000円以上あったのですが、発覚後には450円ほどまで下落しました。

現在は1000円前後です。

そのため、既存の株主にはそれだけ値下がり損が出てしまったわけです。そうした株主が損害賠償請求の裁判を起こした場合、どうなるのかというお話です。


金商法の規定

仮に、オリンパスの虚偽記載公表前1カ月の平均株価が2400円だったとしましょう。その後、公表後1ヶ月間の平均株価が1000円だったと仮定すれば、差額の1400円が虚偽記載による損害と推定されます。

また、虚偽記載がオリンパスの過失によるものだったことを投資家側が立証する必要もありません。

さて、この差額から、裁判所が虚偽記載によるものでない値下がり額を決めて、最終的な推定損害額を認定することになるそうです。

そしてその損害額をオリンパスが賠償することになります。ということは、オリンパス株も買収などを見越してけっこう買われていますが、オリンパスが今後大きな賠償を負担することになるでしょう。

すると、自己資本がその分減ることになりますから、私は今同社の株を新たに買うことには賛成できません。1000億円規模の増資による株式価値の希薄化も懸念されていますし。

なお、株主が損失隠しに加担した経営陣に損害賠償を請求することはあり得るでしょう。それでも裁判には時間がかかりますし、取締役などがどれだけ支払い能力があるかは不明です。


減額分がいくらになるか

さて、値下がりによって損害を受けた既存株主にとっては、虚偽記載以外の値下がり分がいくらになるかが問題となりますね。

これは裁判所の判断でまちまちのようです。なにしろ金商法自体が新しい法律ですから、判例(裁判所が法律を解釈した前例)も少ないのでしょう。

ライブドア事件については、東京地裁が1株あたり200円と判断したそうです。一方で高裁は、550円に増額しました。

つまり、地裁は虚偽記載以外の減額分を多く認めたのに対し、高裁は減額分を少なくしか認めなかったそうです。

投資家としては、高裁の判断のほうがうれしいですね。ライブドアという会社の決算などを信頼して株を買ったわけですから、そこに虚偽記載があれば、損失額を多く認定して欲しいです。


損害分が再び小さくなるか

ただ、このライブドアの裁判は、最高裁で見直されるそうです。つまり賠償額が再び少なく算定されそうです。この判決にも注目したいですが、虚偽記載は投資家の信頼を大きく裏切るものです。

最高裁が損失額を少なく認定するのであれば、納得できる理由が聞きたいものです。

オリンパスの株主が今後損害賠償を求めて訴訟をするなら、ライブドアの最高裁判決より後になりますから、当然最高裁の判例が影響するでしょう。

そうなると、虚偽記載以外での減額分が大きくなって、株主が受ける賠償分が少なくなるかもしれません。

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