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東証一部銘柄の配当利回りが2.7%で国債を上回る

東証一部銘柄の配当利回りが2.7%で国債を上回る

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(日本経済新聞12/7/26の要旨)「利回りを重視するなら、こつこつ株式を買うのが一番の運用法ではないか」。大手銀行の首脳は複雑な表情で話す。

銀行の扱う5年物の大口定期預金は年0.07%、5年物の個人向け国債は0.19%と、ほとんどゼロ金利に近い。

一方、1株当り配当を株価で割った株式の配当利回りは東証一部上場銘柄平均で約2.7%と過去30年で最高水準。10年物国債利回り(0.7%強)を大きく上回る。

武田薬品工業、みずほフィナンシャルグループが5%、三菱商事やNTTドコモも4%台にある。

株式の配当利回りが国債の利回りを上回る「逆利回り」は欧米でも起きた。

「成長に対する投資家の不安心理がもたらした異常状態にすぎず、いずれ解消に向かう」との見方もある。

一方、米経営学者のピーター・ドラッカー氏は1976年の著作「見えざる革命」で利回りの逆転現象を予言していた。「(株式市場を支配する)年金基金は株式の値上がりより配当を求めるようになる」(要旨終わり)

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欧米でも逆利回りに

これまで、逆利回りにはならないというのが常識でした。株式には値上がり益もあるので、配当よりも値上がりを期待する投資家が多く、企業もそんなに配当をしてこなかったからです。

また、経済成長が続いていれば金利も高めになり、国債の利回りも高くなるということもあったでしょう。

ところが、まず国債の金利は低くなっています。日本の場合、デフレ不況が長引いているので、そこから脱却するためにゼロ金利政策を復活させ、インフレターゲット(経済をインフレに持っていく)を採用しています。

これまではゼロ金利政策は異端視されてきたそうですが、今やアメリカやスイスも低金利政策をとっています。

こうして国債利回りが低くなる一方で、株の配当利回りが高くなっています。東証一部の平均が2.7%というのはかなり高いです。

なぜ配当利回りが高いかといいますと、第一に株価値下がりがあります。株価が下がれば下がるほど、おなじ配当額でも利回りが高くなるからです。

現在、東証一部の平均PBRは0.8くらいという異常な低さですから、その分利回りが上がっているわけです。

第二に、配当性向が高くなっていることがあります。配当性向とはどれだけを配当に回すか、その割合です。

株価が下がってしまうということは企業にとっては時価総額が低くなってしまうということで、好ましくありません。そこで、株を買ってもらえるように配当を増やす傾向にあります。

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投資家には好ましい

これらのことは、個人投資家にとって好ましいことだと思います。配当性向が高いということはそれだけ配当がもらえるということですし、これから株を買うなら、非常に割安なところで買えるからです。

引用記事冒頭の銀行の首脳の言葉も、それを表しているといえるでしょう。まあ、銀行も最近は株の売買ができますが、やはり主力は預金ですから、預金より株のほうがいいというのはたしかに複雑ですね(笑)。

それにしても、個人向け国債は5年物で0.19%ですか。はっきり言って雀の涙ですね…。私なら株式(といっても配当利回りが高いだけでなく、財務が安全かも確かめましょう)、あるいは社債を買うと思います。

株式にはリスクがあるのでは、という意見もあります。確かに値下がりリスクがあるので、この点は注意しないといけません。ただ、長期保有で配当を主にとっていく投資スタイルなら、配当益でかなりカバーできます。

例えばある銘柄が1万円(1株単位)、PBR0.5倍だとします。そして配当利回りが4%だとします。この株を買ったあと、値下がりしたとしても、長期保有していれば、年に配当が400円もらえます(配当額が一定と仮定して)。

すると、10年保有すれば配当だけで4000円の利益になります。ちなみに配当益には税金がかかりますが、キャピタルロス(値下がり損)と相殺できます。

その結果、この株が1万円から4000円値下がりしても、配当益と相殺できるわけです。


買いを入れるチャンスと思う

というわけで、今は株を買うチャンスだと思うのですが、投資家心理はかなり冷え込んでいて、買いがあまり入りませんね。日経平均も上がりませんし。

ですが、今後株価が上がったときに(私はそのうち上がると思っています)、あのとき買っておけばよかったということになるだろうと予想しています。

ところで逆利回りは欧米でも起きているそうです。ドラッカーがこの事態を30年以上前に予測していたというのはすごいですね。私はドラッカーを読んでいないのですが。

ドラッカーが年金基金は値上がりよりも配当をもとめるようになる、と考えた理由はわからないのですが、高い経済成長は続かず、経済が成熟すれば、株価の値上がりも頭打ちになる。

そのとき、大株主である年金基金は配当を求めるようになるということだっったのかもしれません。

また、アメリカでは高齢化で引退する世代が増えて、年金給付のために現在の現金収入が必要になっているそうです。

今後この逆利回りがどうなるかですが、少なくとも縮小していくとは思っています。欧州債務危機も収束しては再燃、というパターンを繰り返していますが、今後はそう財政の悪化した国が続出はしないと思っているからです。

そうなれば日本の円高も収まり、株価が上がり、配当利回りが下がると思っています。

日本国債の利回りについては、政府与党が財政再建に果敢に取り組めば急上昇しなくて済むでしょうが、政治家が財政悪化のリスクを正しく認識しなかったり、選挙で負けるのを恐れて及び腰になれば、数年後には急上昇するかもしれません。

そうなれば国債利回りが上がって株価が下がるので、逆利回りは解消するでしょう。そしてそれは、日本の財政破綻が近づいているサインかもしれません。

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