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金融ADRが10月から始まる

金融ADRが10月から始まる

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(日本経済新聞10/7/14から引用)
投資に伴う損失や強引な勧誘など金融に絡むトラブルの迅速な解決を目指す金融ADR(裁判以外の紛争解決)制度が10月から始まる。

費用を安く抑え、解決時間も短いのがうたい文句だ。銀行や証券、保険など金融庁が監督する業者はすべてこの制度の枠組に入る。

使いやすい制度にするには、専門的な知識を持った人材をどこまで確保できるかなどが課題になる。

「投資信託が思った以上に値下がりした。金融機関の販売担当者のリスクへの説明が足りない」(中略)こうした販売や勧誘などに伴う幅広いトラブルが対象になる。

同制度では弁護士などが紛争解決委員となり、利用者と金融機関の双方から主張を聞いて、和解案をつくる。金融機関は和解案を原則として受け入れなければならない。

裁判の場合、弁護士への支払いなどを合わせると数十万円から数百万円の費用がかかるが、ADRを使えば無料のケースも多い。

解決までの期間も裁判が1年超かかる場合があるのに対して、4ヶ月程度で済む。

ADR機関としては、すでに日本証券業協会など5団体が共同で設立した「証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)」や全国銀行協会の「銀行とりひき相談所・あっせん委員会」などがある。

今後は金融庁がこれらの機関を指定する。10月から金融機関はそれぞれ個別のADR機関と契約しておくことが原則として義務付けられる。

金融機関はトラブルが起きた際に、和解のあっせんを依頼する手続きを事前に決めておく必要もある。

こうした体制に不備があれば、金融庁が業務改善命令などの行政処分を出す。(中略)

利用者がADRの仕組みを使うには、まずADR機関に電話か面談で苦情を相談する。ADR機関は事業者側の言い分も聞いて判断を示す。

損失リスクの説明を「した」「していない」といったように、双方の主張が真っ向から対立する場合は、和解の手続きに入る。

弁護士などで構成する紛争解決委員が、双方の主張を聞き、損失額や説明の状況などから適当な賠償額を示す。事業者側はこの和解案を原則として受け入れなければならない。

拒否すれば金融庁が報告を求めることになる。またADR機関と契約していない事業者は、業務を続けられなくなるため、金融庁は顧客対応に問題があるファンドなどが「退場」することにも期待している。

ただ利用者からみても、自らの主張が通るとは限らない。そういう場合には改めて裁判で争うか、和解案を受け入れるかの選択になる。(以下略、引用終わり)

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近年、金融商品取引法の改正によって、銀行や証券会社などが投資家に投資信託などの金融商品を販売する際の説明義務が厳しくなりました。

確か、改正当時は銀行が顧客に投資信託の商品内容を説明するのに何時間も費やし、大変だという話がありました。

裏を返せば、こうした金融商品は売る側にとっても買う側にとってもリスクがあるだけに、トラブルになりやすいものだといえます。

これは、株式や債券投資などでも同じです。もちろん販売する銀行や証券会社だけが悪いとは限らず、リスクの説明を受けたのに投資家にとってその理解が不十分だったという場合もあるでしょう。


リスクはかならずある

投資というものは必ずと言ってよいほどリスク、つまり損をする可能性があります。投資家としても、それを踏まえた上で自己責任で投資を行う必要があります。

しかし、販売側に問題がある場合もあります。そうした場合に助けとなるのがこの金融ADRです。

例えば銀行から投資信託を勧められて買ったものの、思わぬ損失が出てしまったという場合が記事に紹介されています。

そして、銀行側にリスクの説明を怠っていた責任があるという場合、ADRがなければ、当事者で話しあって和解をするか、あるいは民事裁判ということになります。

しかし、当事者の話し合いと行ってもやはり法律的な専門知識が必要になるでしょうから、個人にはなかなか難しいものです。


民事裁判は時間とお金の負担が大きい

また、訴訟となれば時間とお金がかかってしまいます。長いと1年超かかることもあるんですね。これはかなり負担になります。

この1年というのも、おそらく1審の判決が下りるまでの時間でしょう。どちらかが判決に不服であれば、高裁や最高裁まで行ってもっと時間がかかるかもしれません。

その点、今回の金融ADRは無料のケースも多いそうですし、和解案が出るまで4ヶ月ほどと、裁判に比べて投資家の負担がかなり少なくなります。

そのため、投資家にとってはとても良い制度だと思います。裁判の負担を考えると泣き寝入りしてしまうということもあったでしょうから、そうした場合を少なくすることにもつながるでしょう。

そして、この金融ADRを実効性のあるものにするために、けっこう銀行や証券会社などにとって厳しい内容になっています。まず、こうした金融機関はADR機関と契約しておかなければいけません。

また、事業者側は原則として和解案を受け入れなければいけない、というのもかなり厳しいと思います。


業者の法令遵守が進むか

確かにこれなら、記事にあるように顧客軽視しているような一部のファンドなどはADR機関との契約を望まなかったりするでしょうから、退場することになるでしょう。

そのため、金融機関などが法令遵守(コンプライアンス)に一層力を入れてくれるようになるのでは、と期待します。

ただ、記事にもあるように、金融商品は複雑なものもありますので、弁護士など法律専門家といえどもその中身をきちんと理解してくれるのか、という疑問はあります。

例えば、投資信託で為替ヘッジがついているものは、けっこう話がややこしいと思います。

また、専門家が中立の立場で和解案を考えてくれるということは、当然投資家に不利な和解案も出るということです。投資家に落ち度があれば、当然そうなります。

そのため、やはり投資家としては、無用なトラブルを避けるために、事業者側から金融商品の内容についてきちんと説明を受け、理解する必要があります。

また、理解出来ない商品には手を出さないのが投資の鉄則です。トラブルになるような投資は避けて、リスクを踏まえた上で投資をしましょう。

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