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株安で企業の特別損失が拡大

株安で企業の特別損失が拡大

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(日本経済新聞10/10/14から引用)
(企業の)本業の伸び悩みに株安が追い打ちをかけている。特別損失が反映される最終損益の予想では、下方修正額が1301億円と情報修正額の1.7倍になった。

保有株の価格下落で評価損を計上する企業が相次いでいるうえ、事業構造の改革に伴う費用など特別損失が膨らんでいる。

ダイキン工業は猛暑でエアコン販売が伸びて4-9月期の経常利益は計画を上回ったが、株安で保有株の評価損が234億円発生。53%増を見込んでいた純利益予想を60%現に引き下げた。

エスビー食品は経常利益の計画は据え置いたが、株の評価損が発生して微増益を見込んでいた純利益を63%の減益に変更した。(中略)

株安は保有株の評価損だけでなく企業年金の運用悪化につながる。OKIは4~9月期に株の評価損を計上、下期には年金制度改定に伴って220億円の損失を計上する見通し。

円高による収益の目減りに加えて株安が続けば、企業は事業構造や年金制度の改革を迫られる可能性がある。(引用終わり)

投資家にとってはやや残念な内容の記事です。企業の保有株の評価損などによって利益が減っているということだからです。

まず、企業が他社の株を保有するのはどんな場合かを考えてみます。子会社やグループ会社の株を保有する場合。これは事業をまとめるために当然の行為です。

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つなぎ売り

資産運用のために他社の株を保有する場合。これは配当金や値上がり益(キャピタルゲイン)目的であり、私たち個人投資家と同じ目的です。これが今回の評価損の主な場合だと思います。

この場合、その企業の運用能力が問われます。08年のリーマンショックの頃、企業や大学がデリバティブ等で大きな運用損を出して話題になりました。

こういったことを考えると、運用能力には残念ながらあまり期待しない方がよさそうです。

次に、提携企業とお互いに株式を持ち合うということがあります。この場合は、相手が相手だけにその株が値下がりしたからといって売ってしまうわけにも行きません。

こうした場合は、空売りを使ってつなぎ売り(ヘッジ売り)をするという方法があります。こうすれば、株を保有したまま、それ以上の値下がり損を防ぐことができるのです。

ただ、最近は空売り規制によって大量のカラ売りをした投資家の名前などが公表されてしまいます。私はおかしな制度だと思っていましたが、だいぶ公表されてしまうための要件が緩和されました。参考:空売り規制の個人名開示の疑問

それでも、これによって自社の名が公表されると、カラ売りをしたことが相手企業にわかってしまい、あまり心証はよくないでしょう。これには注意です。

さて、こうして保有株の値下がりによって評価損が発生すれば、その企業の株を買っている投資家にとっても悪いことです。


企業年金へ影響も

それでは引用記事の実例を見てみましょう。まずはダイキン工業。本業は今年の猛暑で好調でしたが、保有株の評価損が234億円と巨額です。

これを見ると、評価損が決して軽視できないということがわかります。

次にエスビー食品。こちらも株の評価損で純利益の予定が大幅に減ってしまいました。

個人投資家にとっては、大株主でもない限り、こうした損失をどうにかすることはできません。せいぜい株主総会で発言するくらいでしょうか。

また、こうした株安が企業年金の運用悪化にもつながるんですね。企業年金も一部を株式で運用していることが多いからです。そうなると、従業員が自己責任で運用する日本版401k(確定拠出年金)への移行などが増えるかもしれません。

そしてそれは、従業員が会社任せから自分で年金資金を運用しなければならなくなるということです。これははっきり言って難しいのですが、時代の趨勢ですから仕方がないとも思います。

そこで、多くの人が資産運用の知識を得なければいけなくなります。私の運営するサイトでも、確定拠出年金の運用方法について書いておりますので、参考になさってください。

ヘッジ目的のデリバティブで大きな運用損を出したり、保有株の評価損があったりと、本業以外でも企業は大変ですが、そこは頑張ってもらいたいところです。

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