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東証などが増資時の空売りの規制を検討

東証などが増資時の空売りの規制を検討

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(日本経済新聞10-11-12から引用)
東京証券取引所と金融庁は、企業の公募増資時の空売りを規制する検討に着手した。

増資の発表前後に大量の空売りで株価が急落する事例が相次いでいるためだ。

最近の大型増資ではインサイダー情報を利用した不正取引疑惑も取りざたされている。犯罪の抑止効果を狙った規制が必要との声も上がっている。

東証などが検討しているのは、米国の「レギュレーションM」と呼ばれる規制の導入だ。1997年に米証券取引委員会(SEC)が導入したルールで、発行価格決定の5営業日前以降に空売りを実施した投資家については、増資で発行される新株を購入することを禁止している。

国際石油開発帝石や東京電力、日本板硝子など大型増資時に株価が急落する事例が最近、相次いだ。

東証は「公募増資前後の空売りによって公募価格が本来の需給を反映していない可能性がある」と見ている。

公募価格を引き下げるために、増資発表後から空売りを仕掛けるファンドの動きがあるともいわれる。

このため、日本でも空売り投資家の新株購入を制限するルールを法制化して、証券取引等監視委員会の監視対象とすべきだとの意見がある。

もっとも、業界内部では規制導入への慎重な意見もあり、実際の議論は曲折が予想される。(引用終わり)

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増資のデメリット

私は増資についてはあまり詳しくないのですが、こういった事例があるとは驚きました。

まず増資とは、企業が資本金を増やすことです。資本金とは株主が企業に出資したお金のことで、負債と違って債権者に返済する必要がありません。

そのため、資本金が多いということは、企業の財務健全性をはかる一つの基準になります。

ちなみに、旧商法の会社法では、株式会社を設立する際の資本金は最低1000万円必要でした。有限会社は300万円でした。

その後会社法が改正されて、現在は資本金が1円以上であれば株式会社をつくることができます。ただ、さすがに1円では取引先に信用してもらえないかもしれません。

さて、今回のニュースは大企業が増資をするときに、なぜか増資発表の前後からその銘柄に空売りが増えて、株価が下がってしまうという話です。

増資をすると株価は下がることが多いと言われますがなぜでしょうか。増資をするということは自己資本を上積みするのですから、財務安全性が増します。

そのため、私は増資を歓迎しますが、投資家にとってはデメリットもあるのです。

それが、1単元当たりの株式価値が下がってしまうというものです。つまり、増資して新株発行をすれば、それだけ自分の保有する株式の価値が希薄化してしまうのです。


インサイダー取引

それは配当金や議決権などが減ることにもつながってしまいます。そのため、増資には財務強化というメリットと、株式の価値が実質的に下がってしまうというデメリットとがあるのです。

私としては、何よりもその銘柄が安全であることが大切です。そのため、増資は歓迎します。

さて、今回の件は、増資を発表する前にも株価が急落してしまうことが書かれています。

前述のように増資を嫌う投資家もいますから、発表「後」にその人達が株を売るというのはわかります。

また、増資による新株発行の公募価格を下げる(その結果、安い値段で株を手に入れられる)ために、ファンドが空売りを大量にするということも書かれています。

これも、褒められたことではないでしょうが、発表後に行うなら問題ないでしょう。

しかし、発表「前」に株価が急落するというのは妙です。すなわち、インサイダー取引の疑いが出てきます。

上記のように増資が発表されると、株式価値の希薄化を嫌う投資家が株を売ったり、公募価格を安くするためにファンドが空売りをしたりします。

そうなると、株価は下落します。そこで、それを見込んで発表前にインサイダー情報を得た人が空売りをすれば、利益を得ることができるのです。


規制はやむを得ないと思う

しかしこれはもちろん違法です。そのため、インサイダー取引(内部者取引)については、証券取引等監視委員会がチェックすべきでしょう。

一方、増資の発表後の空売りについては、この記事によると空売り自体を規制するのではなく、空売りをした投資家がその銘柄の増資によって発行される新株を買うことを制限するというもののようです。

なぜなら、ファンドが空売りを仕掛けることで株価を下げ、公募価格も安くしようというのを防ぐためです。

この規制の導入については賛否あるようですが、やはり原則としては規制はないのが好ましいです。

ただ、ファンドのような巨額な資金を動かしているところが大量の空売りで公募価格の引き下げを狙うというのもフェアではありません。

公募価格が下がってしまえば、増資をする企業にとってはそれによって入るお金が減ってしまいます。その点からは、このようなファンドの行為は許せないものでしょう。

一方で、最近は特に空売りは規制が強化されており、ある程度大量の空売りをする投資家は報告義務やその名称などが公表されることになっています。

ただ、このカラ売りそのものへの規制も空売り自体をできなくするものではないので、公募価格を引き下げるファンドの行為を阻止できません。

そのことを考えると、やはり不当な目的のための増資に絡む大量の空売りは、一定の規制が必要だと思います。

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