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社長のツイッターとインサイダー取引

社長のツイッターとインサイダー取引

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(日本経済新聞10/11/1から引用)(中略)社長がツイッターで会社の事業について重要事項に言及する場合、次の点が問題になりそうだ。
1つ目はインサイダー取引に関する問題だ。金融商品取引法(金取法)では、定められた報道機関2社以上が報道するなど、一定の条件の下に公表される前に、M&A(合併、買収)や決算情報、株式分割など重要事項についての内部情報をもとに株式を売買することを禁じている。
仮に読者がツイッターで公表された事実を材料に株式を売買した場合には、インサイダー取引に当たる可能性がある。
さらに「上場会社の情報開示姿勢として問題となる場合もある」(インサイダー問題などに詳しい木目田裕弁護士)。
(中略)不特定多数がアクセスできるとはいっても、ツイッターは一部の人に情報を公開するという点で、公平性に欠けると指摘されかねない。
軽い気持ちで書いた内容で株価が動き、その後発言内容が実行されなかった場合、風説の流布に当たる恐れもある。
代表権を持つ社長の発言は一般社員と比べて情報の確実性が高いと見なされる傾向があるだけに注意が必要だ。
さらに、競合他社に機密情報が漏れるなど、会社が不利益を被った場合、守秘義務や善管注意義務への違反に当たる可能性もある。(以下略)

ツイッターとは、140文字まで文章が書き込めるミニブログです。会社の公式アカウントとか、経営者や有名人も使っている人が多いです。

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最近はこうしたSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)がいろいろありますね。ミクシィ、グーグルプラス、フェイスブックなどです。

こうしたサービスはこれまでのウェブサイト(ホームページ)やブログよりも、他の人と交流できるという要素が強いです。

会社の社長さん(代表取締役やCEO)も、こうしたSNSを使っていろいろな情報を発信するというのは、会社のファンを増やせて面白い試みだと思います。

しかし、情報の内容によっては法律に違反してしまうおそれがあるというお話です。

主に情報の発信側(上場企業)の問題になりますが、個人投資家にとっても、ツイッターの情報を元に売買しただけで、インサイダー取引になってしまう恐れがあるのです。

インサイダーには罰則があるだけでなく、以後日本の株式を売買することはできなくなります。気をつけましょう。


インサイダー取引

一部の人しか入手できない情報に基づいて取引するのがインサイダー(内部者)取引です。典型的なのが、上場企業の従業員や役員、あるいは証券会社の人が、株価が値上がりする極秘の材料を聞いて、その株を買うことです。

一般の投資家からすれば、「おれたちはそんな情報を仕入れたくても仕入れられない。自分だけずるいじゃないか」ということになるわけです。つまり、市場の公平性を損なうのです。

そして、社長さんが何気なくツイッターでつぶやいた一言(ツイート)も、インサイダー情報になりかねないのです。例えば、「今日はやっとA社との合併交渉がまとまりました」とか、「近いうちに株式分割するつもりです」といったものです。

ちなみにインサイダー取引が規制される主な重要事実として、自社株買い、合併、新事業の開始、会社分割、固定資産の取得、業務上の提携や提携解消、破産手続きの申立、行政処分、親会社の異動、主要取引先との取引停止などがあります。

自社株買いとは、上場会社が株価を下支えしたり、株を消却(株をなくすことで処分する)するために自社の株を買うことです。自社株買いをするとわかれば、一般に株価は値上がりするでしょう。

こう考えると、社長さんはうっかりつぶやけないわけです。投資家としても、ツイッターなどでこうした情報が流れてすぐに株を売買すると、インサイダーの嫌疑をかけられます。要注意ですね。


その他の責任

その他にも、上場企業として公平な情報の開示をする義務に反してしまいます。やはり情報を開示するには、日本経済新聞などの新聞に広告を載せる、会社のウェブサイトに情報を載せるなどがよいんですね。

次に風説の流布です。「A社を買収する予定です」とつぶやいたのに実際は買収しないと、事実に反するということで風説になってしまうのです。

特に社長の発言は会社を代表するものととられますから、要注意です。

他にも、会社に不利益を与えた場合には、守秘義務(秘密を守る義務)や善管注意義務(善良な管理者として注意すべき義務)に違反してしまう可能性があります。

ということは社長もうっかりすると会社や株主から訴訟を起こされたりすることもあるということですね。

なお、刑法の背任罪に問われることもありそうです。

つまり、社長さんはツイッターなどで重大な事項をうっかり書いてしまうと重い責任に問われかねないということです。

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