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持株会社とは、目的とメリット

持株会社とは、目的とメリット

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最近、何々ホールディングスという社名をよく耳にします。ホールディングスとは持株会社(もちかぶがいしゃ)のことです。


持株会社とは

持株会社とは、企業グループの株式を一括して保有するための会社です。大きな企業は一社だけで運営されていることは少なく、グループ会社を子会社として設立していることが多いです。

例えば日立製作所がそうです。

それではなぜ、このようにひとつの会社に集約するのではなく、複数の会社を設立してグループ化するのでしょうか。それは、いくつかの目的・利点があるからです。


節税

第一に、節税対策になるからです。法人税は(その時の税制によりますが)たくさん会社を作ったほうが有利になると言われています。例えば交際費は一つの会社ごとに経費にできる上限が決まるため、複数の会社に分けたほうが有利なわけです。

また、法人税や法人事業税は所得が多くなるほど税率が高くなるので、会社分割によって各会社の所得を減らせば、税金も安くできます。(参考:「新会社法でとことん税金を安くする」 大村大次郎 あっぷる出版社)

大企業になれば税金の負担だけですごい額になりますから、なるべく節税するために会社をたくさん作ったほうがお得なわけです。

また、例えば総務や経理といった部門を別会社にして、そこにグループの事務を業務委託するといったことも節税になるようです。これなら事務処理を一括管理できるというメリットもあるでしょう。

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買収や合併がしやすい

第二に、企業の買収や合併(M&A)をしやすくなるからです。最近は特に収益を上げている工場などでも、後継者不足によって事業継続を断念してしまうことが多いようです。そうした企業を買収すれば、時間やノウハウを有効活用できますし、優れた技術を受け継ぐことができます。

そして、買収先の事業を自社に組み入れる際に、買収先の企業を自社の子会社にしてしまえば話が簡単です。従業員を雇用しなおすための事務の手間もいりませんし、新たに新会社を設立しなくても良いのです。

買収先の株式を買収元の持株会社が全部買い取ればよいのですから。

大きな企業同士が合併するときにも、最近は新会社(持株会社)を設立して両社の株式をそこに移転させるというスキームがよく使われるそうです。

そうすれば時間をかけずに事業を統合できるからです。


経営上の利点

第三に、経営の意思決定を統一化できるからです。持株会社にすれば、持株会社が重要な決定をして、その実施を子会社がするというボトムダウン式の経営ができます。

これが、もし持株会社が認められていなかったら、複数の会社を持株会社がグループとしてまとめることができないので、指揮系統がわかりづらくなるでしょう。


以前は禁止されていた

ちなみに、1997年までは純粋持株会社(他の会社を支配することを主な事業とする会社)は設立することが許されていませんでした。これは、戦前に財閥が純粋持株会社として多数の子会社をグループ化し、社会に大きすぎる影響力を持っていたことが、太平洋戦争につながったという反省があったからです。

しかし、独占禁止法が改正されて、純粋持株会社を作れるようになったのです。
参考:ウィキペディア


デメリット

このように持株会社制度はメリットが大きいですが、デメリットもあります。例えば子会社間で連携しにくいというものがあります。それはおそらくこういうことだと思います。

例えばある会社が持株会社制をとっていないなら、一つの会社内に「水産部」「レストラン部」をつくって、社長の指示のもとで魚介レストランを運営するというのは連携しやすいでしょう。

しかし、持株会社制をとっていると、例えば「魚介ホールディングス」という会社に「魚介水産」という子会社と「魚介レストラン」という子会社を作るわけです。

2つの子会社を統合しても良いですが、そうでない限り、水産とレストランそれぞれに社長を立てて、連携して魚介レストランを運営することになります。

すると、それぞれの子会社の社長や社員が自社に都合の悪いことはやりたがらないといった問題が生じるかもしれません。

もっとも、こうした欠点は工夫次第で解決できるとは思います。


子会社は上場できない

もう一つデメリットを挙げると、子会社が新規上場できないというものがあります。証券取引所の規定でそうなっているためです。

すると、既に上場している会社が新事業を新しく子会社を設立して始めようと思っても、この子会社は上場できないので、市場から資金を調達することができなくなってしまうのです。

先日も日経新聞で、持株会社制度を採用していた企業がデメリットを解消するために持株会社を止めることもあると書かれていました。

ただ、たいていのことには利点と欠点両方があります。持株会社はメリットが多い方法だと思います。

株式投資に関連して言いますと、グループ会社は連結決算でひとまとめにされます。そのため、単独決算と連結決算がある銘柄なら、連結決算を重視しましょう。

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