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日本の災害リスクと財政健全化の必要性

日本の災害リスクと財政健全化の必要性

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(日本経済新聞11/6/16から引用)東日本大震災の発生後、米欧の格付け会社が相次ぎ日本国債の格付け見通しを下げた。
理由は財政不安。米リスク評価会社は経済損失を原発関連を除いても約24兆円とみる。未曾有の被害をもたらした今回の震災。崖っぷちの日本財政を谷底に落としかねない。
日本の財政は震災前から火の車。一橋大学准教授の小黒一正(37)によると「震災で2020年の財政破綻確率は24.9%に上昇した」。
経済活動の停滞、税収の減少、歳出の増加…。国や地方の借金残高が家計の金融資産の9割に達する「破綻確率」が震災前の2倍になったという。
(中略)世界最大手の独ミュンヘン再保険が作った世界50都市の災害リスク指数。指数が高いほど災害が起こりやすく、もろく、被害が大きい。
首位は「東京・横浜」(指数710)。2位の「サンフランシスコ」(167)を引き離す。
政府は今後30年以内に70%の確率で起きるとみる首都直下地震(マグニチュード7.3)の被害想定を112兆円とはじく。会社や住宅が密集する東京は災害のダメージもより深刻だ。
日本が抱える災害のリスクは他国より大きい。それが財政に与える影響は計り知れない。
(中略)「15年度までに消費税率を10%に引き上げる」。社会保障と税の一体改革に向けた検討会議で、消費税上げを明記した改革案がまとまった。
消費税10%は会議を主導した経済財政相、与謝野馨(72)の長年の持論だ。(中略。だが)政権を支えるはずの与党の(増税への)足並みはそろわず、共同責任を恐れる自民党も大連立から距離を置く。
(中略)阪神大震災が起きた1995年と現在を比べてみる。名目国内総生産489兆円→479兆円。国と地方の借金368兆円→869兆円。65歳以上の人口1759兆円→2958万人。宿題を先送りする余裕はない。
(中略)未来に責任を持ち、ツケを回さない。被災地の復興や日本再生のため、責任ある選択をするのは今を生きる世代にほかならない。

11年3.11に起きた東日本大震災。地震に加えて大きな津波が押し寄せ、原子力発電所での事故も起きてしまいました。

一刻も早く被災地の復旧、復興に取り組まなければならないのに政治はあてにならず、首相が辞める辞めないなどのごたごたが目につきました。

一方で日本国債の格付けが下がりました。これは、ただでさえGDPの2倍という累積債務残高を抱え、さらに震災で税収は減るし、復興に財源が必要になるので、いよいよ日本の財政を懸念してのことです。

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今、ヨーロッパやアメリカで国の財政問題が大きな問題となっています。しかし、例えばギリシャよりも日本の借金のほうが多いのです(ただし日本は国債の大部分を国内消化できていますが)。

国債の格付けが下がり、IMFも懸念を表明するのは、日本の財政がこれ以上悪化すれば、取り返しの付かない事態が日本を襲うだけでなく、そのダメージが世界経済に波及するからです。

引用記事には当サイトでもご紹介している小黒一正氏が登場しています。2020年に財政破綻する確率が2倍になったというのですから、これは恐ろしいことです。


東京横浜は災害リスクが高い

そして、東京や横浜は他の国の都市に比べて災害に弱いんですね。私も話には聞いていましたが、災害リスク指数が2位のサンフランシスコに比べて5倍弱ですか。

こうして数字で示されると、危機感を覚えます。その原因としては、やはり地震が多いということがあります。住宅地は場所によっては道路が狭く、家が密集しています。

これですと残念ながら火災も広がりかねません。

オフィス街も高層ビルが並んでいます。壮観ですが、高層ビルは地震になると困ります。もちろん耐震や免震は進んでいますが、高い建物は上の方ほど大きく揺れます。

そうなると、コピー機や家具などが人にぶつかりかねません。

そして、揺れが収まってもエレベーターを使わないと階下に非難するのは難しいですが、エレベーターは止まってしまう可能性が大です。

すると、高層であればあるほど脱出するのが難しいですし、エレベーター内に閉じ込められてしまうとさらに大変です。

そして、脱出できないところに火災が発生すれば、被害がさらに大きくなってしまいます。交通網もまひすればなおさらです。

また、嫌な話が続いて申し訳ないですが、東京や横浜は海に面しています。地球温暖化が進むと海面が上昇するという説もありますし、津波が心配です。

そして東京は大雨による水害にも弱いとされています。

こうしたことを考えると、やはり東京に政治や経済の首都機能が集中しているのはまずいです。この点については、大阪を首都機能のバックアップとして利用するという案が出ています。これは実行すべきだと思います。


災害に備えて蓄えておくくらいでないと

このように考えると、はっきりいって日本は危機管理が遅れていると言わざるを得ません。そして、防災対策をするにもお金が要るのです。

その意味では、財政を健全化していざというときにお金が使えるようにするのは一番の危機管理ともいえます。

逆に言えば、財政悪化を放置してきた日本はやはり、危機管理ができていないのです。その証拠に、今頃になって復興財源をどうするかでもめているのですから…。

結果論になってしまいますが、日本のように災害リスクが高い国ほど、災害や有事のために基金を設けておくくらいでないといけないと思います。

ただ、政府は首都直下地震のシミュレーションはしているようです。被害想定は112兆円ですか。もしこれが起きてしまえば、日本の財政破綻の確率は跳ね上がってしまいますね。

そうならないうちに、財政再建を進めるべきだと思います。


なぜ海外投資家に日本国債が買われているか

ところで、最近はユーロ圏での財政不安やアメリカの債務上限問題などがあり、日本円だけでなく日本国債も外国人投資家に買われています。

これは、安全な投資先を求めて投資マネーが流入しているからです。それでは、財政の悪化した日本の国債は安全なのでしょうか。

これについては、とりあえず日本の財政は大丈夫だとみられているからでしょう。つまり、日本はまだ増税の余地があるからです。

これがもし、日本が財政健全化のためになにもせず、増税も歳出削減もしないままだったら、海外投資家は一斉に国債を売り、円を売るでしょう。

彼らは日本の銀行などと違って、しがらみも日本への愛着もありません。冷徹な市場の論理に従うでしょう。

そうなれば、日本の国債保有者にもパニック売が伝染して、既発国債は大暴落し、金利は急上昇するという恐ろしいことになるでしょう。

もちろんそうならないことを強く願っています。そのためには、今財政再建に取り組まないと手遅れになります。

与謝野馨さんもおそらくそう思われているのだと思います。与謝野大臣が「たちあがれ日本」を離れて閣僚になったとき、批判もありました。

しかし、私は与謝野さんが財政を放置していては国がひどい事になると思い、経済財政大臣を引き受けたのだと思っています。

ただ、増税は選挙で不利になるという理由で与党内で増税への反発も強いようです。しかし、増税をせずに財政再建がはたして可能なのでしょうか。

自民党との大連立がよいのかどうかはわかりませんが、与野党が一致して財政問題に取り組んで欲しいと思います。


財政悪化と景気刺激策

ところで、財政悪化は経済政策にも悪影響を及ぼします。例えば、アメリカはリーマンショックのときに財政出動して、景気浮揚策を行いました。

これはイギリスやドイツなども同じだと思います。

その結果、各国の財政が悪化しました。つまり借金が増えました。

そして、アメリカでは法律で定められた国の債務の上限を超えそうになったため、今年8月までアメリカ国債のデフォルトが懸念されたのです。

借金の上限を超えそうになると、新たな借金はできません。そうなると、国債を償還するための借金という財源がなくなるからです。

結局アメリカは債務の上限を引き上げて決着しましたが、財政再建に取り組まなければいけないでしょう。

さて、日本はどうでしょうか。アメリカやイギリスよりはるかに財政が悪化しているのです。すると、今後不況や金融危機のような事態になったとき、日本は国として有効な施策を行えなくなります。

なぜならその財源が確保できないからです。

財政に余裕があれば、一時的に赤字国債を発行してそれを景気浮揚策に充てるということができます。

しかし、もう借金は増やせない、あるいは国債を買ってくれる人がいないということになれば、それもできないのです。

ちなみに景気浮揚策には、例えば減税、公共事業を行う、国などが事業融資を行うなどがあります。

このうち、公共事業は乗数効果(それに投じた資金が雇用を生んだり、消費を増やしたりしてプラスになって返ってくる効果)がだんだん小さくなっているそうですから、あまり効果的とはいえません。事業を行う元手も要ります。

また、エコポイントも消費を増やし、環境に貢献する効果はあると思いますが、やはり元手が必要です。

最近では先進国の景気浮揚策は減税が主になっていますが、減税も税収が減りますから日本のような財政が極端に悪化した国ではとんでもないということになります。

というわけで、もし日本が財政が悪化した状態で経済危機に陥った時、諸外国で日本だけ打つ手がないということになるかもしれないのです。

つまり、財政が悪化して国が使えるお金が減るということは、災害や不況などの不測の事態に備えることもできませんし、復旧にも支障が出るのです。


なぜ日本財政が世界最悪になったのか

ところで、引用記事には面白いことが載っています。日本経済新聞が読者に、なぜ日本財政が悪化したのかをアンケートしたのです。

それによると、「政治家がだらしない」「無駄遣いしている」「成長力が落ちた」などが上位に来ています。

もっともな結果です。政治家がだらしないというのはその通りですね(笑)。無駄遣いしているというのも納得です。不要な公共工事をしたり、年金保険料でいらない保養施設をつくったり。

医療費などの社会保障での無駄を省く取り組みも不十分です。物価が下がれば年金支給額を下げるスライドもやっと始めるそうです。

歳出削減は徹底して、ずっと行っていかなければいけません。

成長力が落ちたというのも一因です。成長できれば税収も増えますが、それに合わせて社会保障制度を充実させたら、高度経済成長が終わって歳出だけ増えたのが日本です。

社会保障が手厚い、税金が安いという回答もあります。これらはあまり票を集めなかった回答なのですが、実はこれらも財政が悪化した要因です。

小黒一正氏によると、日本は中福祉、中負担ではなく、「低福祉、超低負担」だそうです。現に今、社会保障にかかる費用が毎年1兆円増えているのもその証です。

つまり、社会保障に対する支出に対して、税金や国民の自己負担(介護保険料や健康保険料)などが少なすぎるというわけです。

ということは、あまり政治家や官僚だけの責任ともいえなさそうです。


将来世代にツケを回さない

1995年との比較がついています。名目GDP(物価変動を考慮する前のGDP)は少し減っています。その一方で国と地方の借金、これはおそらく長期債務だと思いますが、倍以上に増えています。

これはひどいですね。そして65歳以上の人数もかなり増えています。

つまり、借金が大きく増えて、税金を沢山払う働く世代が減り、医療や年金、介護などにお金を必要とするお年寄り世代が増えているのです。

このまま行くと、財政破綻はありうると思います。少なくともこのままでは国の巨額の借金を、生まれたばかりの子どもやまだ生まれていない子どもに残すことになってしまいます。

これは経済的な虐待とも言われます。そうしないためにも、財政再建に取り組む必要があると思うのです。

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