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所得税増税についての有識者の意見

所得税増税についての有識者の意見

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(読売新聞10/7/2から引用)
西沢和彦・日本総合研究所主任研究員:所得税の最高税率を上げても税収増はわずかだ。一部のお金持ちに課税を強化して多くの人に消費税の引き上げを認めて欲しいという政治的な意図があるのだろう。

消費税の増税による低所得者の負担を減らすには、生活必需品などの税率を低くする軽減税率や、(低所得者に減税や給付金の支給を行う)給付付き税額控除、または社会保障給付を行うしかない。

所得税の増税は、青天井の給与所得控除の見直しや、非課税の範囲が広い公的年金等控除の縮小で行うべきだ。低い税率が適用される所得階層を縮小して税収増を図る必要もある。

井手英策・慶大准教授:所得税の最高税率の引き上げで税収は大幅には増えないが、(所得が少ないほど負担が大きくなる)逆進性の強い消費税増税だけでなく、富裕層も含めて全員で公正に税を負担してもらうという政府のメッセージを示す点が重要だ。

所得税の増税には、消費税の上げ幅を抑え、今後の消費増税の余地を残しておく狙いもある。国際の長期金利の低いのは、日本に増税の余地があると思われているためだ。

消費税だけを一気に上げて追加的な増税余地が小さくなると、金利が上昇しかねない。

所得税を増税する場合、増税分のうち、国が政策を通じてどれだけ国民に給付するかを説明するとともに、所得にかかわらず給付して中間層の同意を得ることも大切だ。(引用終り)

所得増税について2人の有識者が語っておられます。まず西沢さんから。なるほど、まずは所得税の最高税率を上げて、「お金持ちにもこれだけさらに税金を負担してもらうようにしました。ですから所得の少ない人にとって負担の重い消費税を上げるのを容認してください」というメッセージなわけですね。

所得税の最高税率上げについては、私は個人の努力によって稼いだお金の半分を超えて国が徴収するのはおかしいと思いますので、反対です。

そして、お金持ちはこう考えている方も多いのではないでしょうか。「たくさん取られた税金が本当に国民の暮らしのために使われているのか」と。無駄な公共事業や、公務員の天下り、数年前まであった国会議員年金(国民年金よりもはるかに恵まれている制度でした)。

こうしたことを考えると、お金持ちならずとも、税金がちゃんと使われているのか疑問を感じます。

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寄付控除の充実

そこで、寄付による所得控除をもっと充実させたらどうでしょう。現在でも公益に寄与する団体などへの寄付は控除が受けられますが、例えば国や地上自治体に使い道を限定して寄付をできるようにします。

例えば地方自治体が行う環境保護活動だけに使うと限定して、寄付をできるようにします。そして、寄付を受けた方は使途を領収書付きできちんと公開します。

こうすれば、自分の納めた税金が何に使われているのかわからない、無駄遣いされているのではないか、という不満に応えることができます。納税者は納得して自分の興味のある分野に寄付できるのです。

これなら、お金持ちも多額の寄付を公益活動にしてくれるのではないでしょうか。それは税収アップと同じことです。

実は、鳩山前首相がNPO法人に寄付しやすくする法改正をしました。これは私も評価しています。

さて、消費税はいずれにせよ上げないといけないでしょう。その際には、低所得者のために西沢さんがおっしゃるように、食品などへの軽減税率などを工夫しないといけません。

消費税は物やサービスを買えば必ず払いますので、徴収漏れが少ないです。景気への悪影響など心配な面もありますが、日本の財政を立て直すためには消費税上げは仕方ないと思います。

次に給与所得控除ですが、記事にあるように現在は収入が1千万円を超えるような高所得者の場合でも、上限なしに給与収入の5%+170万円が控除されます。

ということは、仮に私の給与収入が年に100億円だったとすると(笑)、約5億円が控除されるのです。いいですねー。


給与所得控除の見直し

しかしそれでは高所得者に有利すぎます。そこで、最高税率を上げないならこうした控除を見直すことで、もっと税金を払ってもらおうということです。

具体的には、例えば給与所得控除は収入にかかわらず、最高で300万円まで、というような上限を設けるのでしょう。こうすると、例えば10億円の給与収入がある人(そんな人もいるんでしょうねー)では、現行の控除だと控除額は5170万円です。

一方、控除は最高で300万円とすれば、その差は約5千万円。これは大きいです。

最後の低所得者を縮小して、という部分は、現在は低所得者は所得税率も低いのですが、その範囲を狭めましょうということだと思います。

具体的には、所得が330万円以下の人は所得税率が10%ですが、これを例えば300万円以下にするということでしょうか。

こうすると、例えば所得が330万円の人は、300万円の10%=30万円と、30万円の20%=6万円の、合計36万円が税金になります。

これまでどおりなら330万円の所得のある人は33万円が税額だったので、増税になります(間違っていたらごめんなさい)。

こうして、低い所得の方にももう少し払ってもらおうということだと思います。


財政と金利

次に井手さん。やはり所得増税は低所得者にとって特に負担の大きい消費税増税だけでなく、富裕層にも負担してもらいますよ、というメッセージだと分析されています。

そして、消費税を大きく上げるのではなく、ある程度上げた上で、所得税も上げて税収アップを見込む。そうして今後の消費税上げの余地を残しておくと。なるほど。

日本の債務残高が900兆円を超えて先進国の中でも飛び抜けて多い中で、国債の長期金利が低いままでいられるのは、今後消費税を上げれば税収が増えて、借金が増えるのを防いだり借金を減らせると見られているからです。

しかし、消費税だけを一気に上げると、もう税収アップの余地がなくなります。それでも日本の借金漬けを解消できそうにないとなれば、いよいよ日本の財政は破綻するとみなされて金利が上昇してしまうということだと思います。

金利が上昇してしまうと、それが好況に伴うものなら別でしょうが、既発国債の価格が下落します。大きく金利が上がれば銀行などの保有する国債の価格が暴落して、金融機関の破綻などになりかねません。

少なくとも、銀行などの財務内容が悪化するので、新規発行される国債の引き受け手がほとんどいなくなってしまいます。そうすると借金によって予算をやりくりすることができなくなり、経済も社会もパニックになってしまうでしょう。

ぜひとも金利が上がることは避けたいものです。そのためにはやはり消費税をある程度上げる一方で低所得者への配慮をし、富裕層には所得増税で一定の負担増をお願いするしかないと思います。

そして税収増を図りつつ、法人税減税や規制緩和、社会保障制度の改善などで景気回復と消費増を目指し、さらに税収アップを見込む。一方で国の歳出のムダを省いて借金を減らしていく。そうすれば、日本に未来はあると思います。

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