ホーム » 日本の財政問題 »

日本は一刻も早い財政健全化を

日本は一刻も早い財政健全化を

スポンサード リンク

Pocket

日本の2010年現在の負債残高は約860兆円で、国債の格付けも下がっています。そんななか、日本は財政健全化を急ぐべきだという日経新聞の記事が掲載されました。

(日本経済新聞10/5/31から引用、抜粋)ギリシャへの支援決定後も欧州の金融混乱は沈静していない。
日本も、もはや安全地帯にはいない。ケタ外れの公的債務というアキレスけんを抱えた経済は、ひとたび国際的な投機にさらされればもろいはずだ。
鳩山内閣が検討している経済成長戦略と財政の健全化計画は、今や時間との戦いになってきた。
「金融危機と財政危機は互いに増幅しあいながら今後も続く」とみているのは国際金融コンサルタントの草野豊己氏だ。
欧米政府が金融機関を救った結果、民間の信用リスクは国にも広がった。一層の金融救済の余地は乏しくなり金融機関はさらに信用を落とす。そして国債を大量に買えなくなる。その悪循環のあおりを日本国債も受けると予想する。
国際通貨基金(IMF)は19日のリポートで「(欧州での)公的債務に対する市場の信頼喪失は…日本の長期金利上昇につながる。成長率は急低下し、デフレは長引き、財政はさらに悪化する」と警告した。
今回の欧州危機で、日本国債は安全資産とみられ買われている。95パーセントを国内で保有しているから南欧諸国とは違う。そんな楽観論からだが、過去の国債暴落も忘れてはなるまい。
1987年秋、タテホ化学工業が債券先物取引で多額の損失を出した事実が明るみに出て、金融機関は国債を売却した。それもあり、10年物国債の利回りは同年5月末の年3パーセント台から9月末には6パーセント台へと急騰した。
当時も国債保有者の大半は国内だった。
数年内に低利での国債消化は難しくなると債券専門家はみている。
「特に2015年には団塊の世代全員が65歳になり貯蓄の取り崩しを本格化させるので、国債消化は転機を迎える。実際にはその何年か前から金利が上がる」と予想するのは日興コーディアル証券の末沢豪謙金融市場調査部長だ。
だからこそ財政健全化と経済成長に早く道筋をつける必要があるが、政権の構えは実に悠長である。
小泉内閣が06年に決めた「骨太の方針」は公共事業費の年3パーセント減額の継続、社会保障費の年2200億円の削減というように具体的に示した。
その後の経済混乱で方針が実現していないのは仕方ないが、せめてこの程度、具体性のある方針を決めないと市場は納得しまい。
日本もいよいよになれば(ギリシャくらい)厳しい赤字削減が必要になるだろう。早めに手をつけるほうがよい。

記事を書いている時点では鳩山総理大臣が辞任し、菅直人総理になっています。

菅総理は財務大臣をしているときに、日本の財政の厳しさを身をもって感じ、財政再建の必要性を唱えておられます。その点、私は期待しているのですが、ぜひとも財政再建を急いでいただきたいものです。

スポンサード リンク

記事冒頭の欧米政府が金融機関を救った結果、民間の信用リスクが国にも広がったとあります。

これは、たとえば政府が金融機関を救済するときに株式を取得し、金融機関の保有するリスクの高い国債など(ソブリン債)も政府が保有することになる、ということを指しているのでしょうか。

そうすると、国としても金融機関のリスクを無限に引き受けるわけにはいかず、一定のところで金融機関を救済するのが難しくなります。

これは日本の金融機関にも当てはまるかもしれません。仮に日本の金融機関が国債価格の下落やそれに伴う長期金利上昇などでピンチになったとき、政府がもし金融機関を救済すれば、金融機関の大量に保有する国債を政府が引き受ける形になります。

ということは政府は価格の下がった国債を保有することになり、損が出ます。金利が上がっているので国債費もさらに増えます。また、金融機関には国債を買う余裕がないので、国債の引き受け手がいよいよいなくなってしまうのではないでしょうか。

次に、IMFのリポートで、欧州での公的債務に対する市場の信頼喪失が日本の長期金利上昇につながるという点について。

これは日本は債務の多さからいえば、ギリシャよりも上です。そこで、日本の国債はいよいよ危ないのではないか、と日本国債の引き受け手が考え、国債を低金利では引き受けなくなる。その結果、金利が上がるということでしょうか。


○国内消化できているから安全か

次に、日本国債はほとんどを日本の法人や個人が保有しているので、日本国内で済む話だ、という点について。こうした考えはある大臣もおっしゃっていました。

しかし、日本国債の大部分を日本国内で保有しているとしても、期限が来れば国債保有者に償還しなければいけません。利息も払わなければなりません。

そのための費用が国債費ですが、10年度の国家予算(一般会計)では国債費が約20.6兆円でした。つまり今でも歳出の約1/4を占めているのです。

おまけに歳入の半分以上を赤字国債発行でまかなっています。借金で借金を返すような状況が長続きするでしょうか。

そして現在はまだ日本の金融機関が低利で国債を引き受けてくれていますが、記事に紹介されているシナリオではあと10年以上は財政悪化が続くそうです。これからも借金が増え続ければ、金融機関も「国債はいよいよ危ないかも」と思うでしょう。


○国債の引き受け手が減る

加えて、記事にあるように国民の貯蓄率が下がれば、金融機関や個人投資家が国債を買う元手が確実に減ります。

今でさえ国債で国債を返しているのに、国債を引き受ける人がいなくなれば、国債の元本や利息を払えなくなります。

「いや、日本国内で国債の大部分を引き受けているのだから、債務不履行はない。」という説もあります。しかし、国の収入源は税収しかありません。

ということは、多額の国債の元本や利息を払うためには、税金を上げるということになります。

しかし、税金を上げれば消費は冷え込み、景気は悪くなるはずです。また、国債の元本や利息を(一時的にせよ)払えない政府を国民が信用するでしょうか。

今でさえ年金や医療など社会保障制度がぐらついているのに、政府をいよいよ信頼できないということになれば、国民はさらに財布の口を堅く閉めるでしょう。そうなればさらに景気が悪化します。

そして、税金が高くなれば(おそらく異常に高い税率になるでしょう)企業やお金持ちは海外に出るでしょう。金持ちでない私だってそうしたいです。

消費税は他の先進諸国より低いと言われますが、例えば消費税の高い北欧の福祉はしっかりしています。年金が消えるというとんでもないことをしている日本とは比べられません。

また、これは聞いた話ですが日本の消費税は福祉目的税ではなく、社会保障以外のところに使われているそうです。私はおかしいと思います。

こんな現状で消費税を大幅に上げれば、国民は黙っていないとおもいますが…。

さらに、現在でも日本の法人税は先進国トップの高さです。所得税と地方税もある程度の所得があれば、3から4割程度取られています。

相続税も先進国の中でもかなり高いレベルだそうです。

つまり、今でさえ国民や企業は高い税金を取られているのです。それなのに国は赤字国債をどんどん発行して巨額の債務を作ってしまったのです。

そこに、国債がいよいよ払えなくなりそうだから税金を上げますと言われて、国民が納得するでしょうか。私なら冗談じゃないと怒りますよ。


最悪のシナリオ

これまでの話をまとめますと、日本は巨額の債務を抱え、近い将来に国債の引きうけ手も少なくなるでしょう。そうなれば、少なくとも金利は急上昇し、企業や個人がお金を借りにくくなるので経済は停滞するでしょう。

そして、国債の償還や利払いに充てている国の「国債費」も巨額になっています。そして金利が急上昇すれば、国債費もさらに膨れ上がってしまいます。

こうなればいよいよ国内にも海外にも国債の引き受け手がいなくなり、国債の償還や利払いができなくなる(デフォルト、債務不履行)か、少なくとも一時的に支払いを待ってもらう(履行遅滞)になるでしょう。

(政府が通貨を大量に発行すれば、名目上はデフォルトにはならずに済むかもしれません。しかし、そうなればハイパーインフレを招き、償還された国債の価値は著しく減ります。その結果、デフォルトと非常に近い結果になってしまいます。)

そうすると、発行済みの国債価格は暴落するでしょう。銀行などの金融機関が大量に保有する国債の価格が暴落するので、金融機関の破綻が相次ぐかもしれません。

しかし、政府に金融機関を救済する余裕はなく、ペイオフによって銀行預金が一部を除いて返ってこなくなる恐れがあります。

経済も社会も大混乱するでしょう。

これまで多額の赤字国債を発行して予算を組んできた政府ですが、国債は発行できない上に、国債費が膨大になり、まともな予算は組めないと思います。

政府は仕方なく国債償還のために各種の税率を大幅に上げます。しかし、その税率に嫌気がさして、企業や資産家の多くは海外に行ってしまうでしょう。

予算がないので年金や医療などの社会保障も、公務員への賃金支払いもストップしてしまうかもしれません。

税率を上げたところで、すでに高い税金を負担している国民の多くに経済的余裕はなくなり、低所得者層が増えます。そのため、税金を上げても税収は増えません。

それどころか、高すぎる税金のためにお金が回らなくなり、日本は大不況になるでしょう。

もちろん国債は税収で償還できないので、債務不履行(デフォルト)になり、国民の金融資産の多くが紙切れになってしまいます。その先どうなるかは…私にはわかりません。

ただ、経済が低迷し、税率のとても高い、そして国際的信用を完全に失った日本になってしまうでしょう。

以上、最悪のシナリオを予想してみましたが、あながち心配しすぎとは私は全く思っていません。それどころか今のままだと、大いに起こりえることだと思います。

日本の財政悪化によってひどいことになりかねないので、引用記事でも早めに財政改善のために早く手をつけるべしと主張されているのです。


まだ間に合う

もっとも、10年6月現在、総理大臣が菅直人氏になりました。菅氏は財政再建の必要性を認識されているので、そのための政策が早く実行に移されれば、最悪の事態は免れられるかもしれません。

ただ、財政規律を重んじると、歳出を削った緊縮財政になります。そうなれば景気の悪化を招く、という意見もあります。

そこで、菅さんも財政再建と経済成長を両立させるという目標を掲げています。とても難しいことですが、実現していただきたいです。

私が思うに、やはり法人税の引き下げは必要でしょう。税収が減るので財政再建と矛盾するようにも思えますが、先進国でトップの法人税が下がれば、日本に進出する外国企業が増えるでしょう。

そうすれば、雇用が生まれて経済が活性化すると思います。雇用が生まれれば、個人の所得が増えて、消費も増えます。そうすれば社会保障にもプラスになります。

税収を増やすために消費税アップも議論されています。国民の負担が増すので反対したいところですが、少子高齢化が進んで社会保障負担が増える一方で税収のアップが見込めない以上、ある程度の消費税上げはやむを得ないと思います。

ただしそれは、国の無駄な支出を徹底的に削った上での話です。また、消費税は社会保障にだけ使うというようにしなければいけないと思います。

こうして財政規律を重んじつつ経済成長を図り、しばらく我慢してやっていきます。そして少しずつでも確実に長期債務残高を減らして他の先進国並みの財政に回復させれば、安心感が生まれて海外からの投資も増えるでしょう。

もはや「世界一の借金王」ではいけません。一時しのぎでない腰を据えた財政改革を期待します。

Pocket

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)