ホーム » 日本の財政問題 »

「ギリシャ問題と日本の財政リスク」の感想

「ギリシャ問題と日本の財政リスク」の感想

スポンサード リンク

Pocket

日経新聞にピムコ・ジャパン社長の高野真氏が日本の財政について語っておられる記事が掲載されていました。私も10年度の予算が税収よりも国債発行額の方が多いという事態になり、危機感を感じていますので読んでみました。

(日本経済新聞10/5/24から引用、抜粋)
ギリシャ危機により日本の財政リスクが再認識されている。しかし、日本とギリシャを単純に比較はできない。
円建ての借金は自国通貨によって賄え、日本国債にデフォルト(債務不履行)リスクはない。
しかも日本は対外純資産国、すなわち国内民間部門による国債引受の余力がある。ギリシャの状況とは大きく異なる。
それにもかかわらず、財政問題が今後日本の大きなリスクとなる可能性は否定できない。これまで大量の国債発行にもかかわらず国内金利が低位安定していたのは、経常黒字が継続し、国内機関投資家による国債選好があったためである。
しかしながら今後は高齢化により貯蓄率は大幅に低下し、経常黒字の継続は期待できない。民間部門による国債消化余力も今後数年で消滅する。
そうなれば海外投資家の期待収益率に合うレベルまで債券価格の調整が必要である。その過程で大量の国債を保有している国内金融機関への影響は計り知れず、国債利払い費も飛躍的に増加する。
(財政リスクは)すぐに顕在化するとは考えづらい。しかしいずれはやってくる可能性がある。ギリシャ問題で学ぶべきことは、市場の動きはすばやく容赦ないということだ。
政府はばらまき政策を即刻やめ、限られた財源をより波及効果の高い政策に集中させ、財政リスクを最小化する政策をとるべきだ。与えられた時間は限られている。

コメント:まず、日本国債にデフォルトリスクはないという点について。国債残高が今以上に膨れ上がり、国債の償還や利払いにかかる費用を国が払えなくなれば、デフォルトになります。

そうならないためには、二つの方法があります。第一は、国が税率を上げて国民から今よりも税金を取れば、そのお金を国債費に当てることができます。

第二は、円をどんどん発行することです。政府が国債費に充てるために、どんどんお札を刷ればよいのです。その代わり、日本経済はハイパーインフレになります。

10年度の税収は約37兆円でした。これで公務員の給料を払い、必要な公共事業や社会保障を行い、その上で860兆円とも言われる国と地方の長期累積債務を返すのですから、たくさんお札を刷らなければいけません。

国の債務は一挙に返さなくてもよいからそんなにインフレにはならないのではないかとも考えました。

しかし、たとえ860兆円を一気に弁済する必要はなくても、少しでも国債の(一時的にせよ)デフォルトが起きれば、既発国債の価格は暴落するでしょう。

そうならないためには、やはり1年間で数十兆円のお札を刷らないといけないと思います。そうなると、やはり少しのインフレでは済まないのではないでしょうか。

スポンサード リンク


○ハイパーインフレ

ハイパーインフレになれば、円の価値は極端に下がります。

ということは、例えば100万円の国債を持っている人がハイパーインフレ時に償還してもらっても、円の価値が仮に現在の1/10になっていれば、国債を買ったときには100万円分の価値があったのに、10万円になってしまったことになります。

これはほとんどデフォルトと同じだと思いますが…。

確かに政府がこうした策を取れば、国債のデフォルトはないかもしれません。しかし、大幅な増税をすれば消費は落ち込み、経済は低迷し、雇用は減り、株価は暴落するでしょう。

また、ハイパーインフレになれば結局国債の価値が暴落するのと同じですから、国債を保有する金融機関が破綻し、それに伴って経済は大混乱するでしょう。

また、海外から輸入している多くの食品を買えなくなるなど、生活全般も混乱は必至です。

つまり、確かに国債のデフォルトはないかもしれませんが、結局はデフォルトと同じようなひどいことになると思います。


○すぐに改善すべき

もちろん高野さんは現在のような財政はすぐに改善すべきだとおっしゃっています。

民間部門(金融機関や保険会社など)による国債消化余力が今後数年で消滅するというのは恐ろしいことです。つまり国債の引き受け手が国内にほとんどいなくなるということです。

そうなると、海外の投資家に買ってもらおうと国は考えるでしょう。しかし、そのためには国債の金利を高くしなければいけません。

日本よりはるかに財務内容の良いアメリカなどの国債利回りが3-4パーセントくらいなのを考えると、それを上回る金利にしなければいけません。


○国債価格の暴落

それでもシビアな海外投資家が借金の多すぎる日本の国債を買ってくれるかどうかは分かりません。買ってくれたとしても、金利が上がった分、既存の国債価格は暴落し、国債利払い費も急増すると高野さんはおっしゃっています。

国債価格が暴落すれば、それだけでも金融機関の破綻が相次ぐかもしれません。また、長期金利が急騰すれば、住宅ローンの金利負担や企業が銀行などから融資を受ける金利も急騰します。

そうなれば経済の大混乱は間違いありません。株価は暴落するでしょう。

というわけで、高野さんは早く財政改善をせよと書いておられます。

民主党政権は10年6月現在、菅新総理が財政健全化を唱えています。当面は赤字国債発行額を抑えることを目標にするそうですから、まずは一歩前進です。

しかしそれでも、日本の債務残高が増えることに違いはありません。

非常に難しいとは思いますが、なるべく国債発行額を抑制しつつ、高野氏のおっしゃるようにばらまき政策は止めて、法人税率引き下げや介護業界での雇用創出など、成長戦略も実施して、財政健全化を実行してもらえるように期待します。

Pocket

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)