ホーム » 日本の財政問題 »

藤巻健史、高橋洋一、小黒一正など有識者の財政破綻についての考え

藤巻健史、高橋洋一、小黒一正など有識者の財政破綻についての考え

スポンサード リンク

Pocket

日本は巨額の累積債務(借金)を抱えており、先進国中でも最悪の水準になってしまっています。

そこで、私は日本が財政破綻してしまうのかどうか、という点を非常に気にしています。もしそうなってしまえば、国債のデフォルトやハイパーインフレになり、銀行や信用金庫などの金融機関は破綻が相次ぎ、保険会社も倒産してしまうなどの大混乱が起きてしまうからです。

さて、その財政破綻ですが、このままでは起きる可能性があるという説と、起きることはないという説があります。そのため、私も果たしてどちらが正しいのか知りたいと思い、本屋に行っては財政について書かれている本を探しています。

ここでは、私が本屋で立ち読みした本を何冊かご紹介したいと思います。もちろん立ち読みだけでなく買った本もありますが、全部を買うわけにはいかないので立ち読みのものも含まれているわけです。

ただ、なにしろざっと読んだだけですので、誤りがあったらご容赦ください。


藤巻健史

まず、藤巻健史氏の本です。この方は財政破綻について何冊も本を書いていて、このままでは破綻は現実のものになるというスタンスです。

元銀行のディーラーをされていたようです。どの本もわかりやすく書かれており、破綻否定論への反論も書かれています。



一方で、細かいデータを基に、財政は破綻するという結論を導き出している、というわけではない感じです。ただ、いざ財政破綻したときには個人はどうやって資産防衛すればよいのか、という点を書いておられるので実践的です。

スポンサード リンク


高橋洋一

次に高橋洋一氏。元財務官僚で、「日本は破綻しない」論者です。私も細かく読んだのではないのですが、国が持っている資産は売却可能なものも多くあり、それを売ってしまえば、実際の(ネットの)負債はそんなに多くないというものです。

そして、国が資産を溜め込んでいるのは官僚の陰謀というような書き方をされていたと思います。

ただ、グロスでは借金は多いが、ネットではそんなに多くないという高橋洋一氏の説に対しては、ネット(負債総額から資産を引いた実質)でもかなり多いという反論があります。

また、国の資産の内訳を私は詳しく知りませんが、例えば皇居や自衛隊の装備を売ることはできないでしょう。加えて、例えば橋などは掛けてから数十年が経ち、売り払うどころか修繕が必要になっています。

そのことから、果たしてそんなに国に処分可能な資産がたくさんあるのか疑問を感じます。

ちなみに経済評論家の勝間和代さんも、確か高橋さんの本を推薦していたはずです。ということは同様のお考えなのでしょう。



三橋貴明、榊原英資

次に三橋貴明氏。この方は中小企業診断士です。財政破綻否定論者で、それどころか日本経済はこんなに強い! とおっしゃっています。


まあ、それが本当ならうれしいのですが…。三橋氏の破綻しないという根拠は、例えば国の借金は同時に資産が増えることだから、国民にとってもプラスにこそなれ、マイナスにはならない、というものです。

つまり、国債は負債も増えるが資産も増えるという両建になるというわけです。

ただ、これに対しても反論があります。建設国債なら国民のための橋や道路というような資産が増えます。しかし、赤字国債は必ずしも資産は増えるわけではありません。

例えば公務員の給与に赤字国債で調達したお金が使われれば、それは資産という形では残りません。無駄な公共事業も同じでしょう。数年前にも年金の積立金で不要な保養施設を作ってしまい、その処分で紛糾することがありました。

というわけで、私も反論のほうが説得力があると思います。

続いては「ミスター円」こと榊原英資さん。この方を見るたびに私は「顔がかわいい」と余計な感想を持っていますが(笑)、榊原さんと竹中平蔵さんが日本経済を語るという本があります。

政治評論家の田原総一朗氏が監修した「絶対こうなる!日本経済」というものです。田原さんもテレビ朝日の「サンデープロジェクト」は終了してしまいましたが、熱心に活動されています。


ただ、まずこの本の題名はどうなんでしょうか。売れるタイトルにしたいのはわかりますが、経済というものは奇々怪々で先が読めませんから、絶対というのは無理だろうと思います。

さて、同書は田原総一朗氏が司会をして、榊原英資氏と竹中平蔵氏が対談をするという形式になっています。

私は対談本というものは、どうしても内容が散漫で薄くなってしまう傾向があるため、あまり好きではありません。

この「2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済」も、残念ながらそういう本でした。

対談するお二人は大物なのでもっと面白くなっても良いのですが、少なくとも財政破綻に関するところは言及がまったく足りません。日本経済の最も重要な点だと思うのですが…。

その財政破綻について、竹中さんはやはり危惧しているという感じだったと記憶しています。一方の榊原さんは楽観論者で、「あと50年は破綻しない」とおっしゃっています。

そこまで読むと、「なるほど。その根拠は?」と期待するところなのですが、なぜか司会の田原さんが「この話はこのぐらいにして」と別の話題に行ってしまいます。なぜ?と首をかしげてしまいます。

そのため、榊原さんが50年は大丈夫とおっしゃるその根拠が分からないという残念な本になってしまいました。

というわけで、この本は少なくとも財政問題に関してはおすすめできません。これでは何のために対談したのやら…。


辛坊治郎

続いて、日本テレビでおなじみの辛坊治郎さんと、そのご兄弟のエコノミストが書いた「日本経済の真実」です。


新聞広告で財政破綻について書かれているようでしたので興味を持っていたのですが、アマゾンのレビューを読むと、内容が信頼性に欠けるというものも多くありました。

私も同書を立ち読みしてみて、確かにもっと理詰めで書いてくれればいいのにと思うところが多かったです。

ただ、日本経済について具体的な提言をしているところは興味深いと思いました。

次に、著者と書名は忘れてしまったのですが、国債の入門書を立ち読みしました。この本は国債のことをわかりやすく紹介しており、よいと思ったのですが、国債がデフォルト(債務不履行)になったり日本は財政破綻するのか、という一番大切な部分については拍子抜けでした。

どう書いてあるのかといいますと、「そうはならないだろう。なぜなら日本人はそんなに馬鹿ではないからだ」というだけなのです。

しかしこれは私の知りたいことではありません。そんなに馬鹿ではないとおっしゃいますが、現にその日本人が先進国中で最悪の巨額の累積債務をこしらえてきたのでしょう。

そしてIMFから「お前のとこは破綻しかねないから借金を減らすように」と言われているではないですか。もしそんなに馬鹿ではないのなら、こんなに借金をそもそも増やさなかったと思いますよ。

そして、財政健全化のためには不可欠の消費税上げの議論も深まっていません(与党が議論はしていますが)。これでは日本人は本当にそんなに馬鹿ではないのか、と疑問を感じてしまいます。

その一方でスワップ取引などは詳しく解説してあるのです。重点を置くところが違うのではないか、と思ってしまう本でした。


絶対に受けたい授業『国家財政破綻』

次にご紹介するのは、「絶対に受けたい授業『国家財政破綻』」という本です。この本は、国債や財政問題に詳しくなかった著者が、いろいろ勉強し、国会議員や経済学者、エコノミストなどに質問して、国家財政が大丈夫なのかを明らかにしていくというものです。

この本は私はまだ買っていないのですが、冒頭で国債や財政問題がわかりやすく解説されていること、いろいろな意見を知ることができることからなかなか興味深い本だと思っています。


ただ、著者が取材をした人にはちょっと物足りなさも感じます。例えば元ライブドア代表のホリエモンこと堀江貴文氏は、財政問題には関係ないのではないでしょうか。それから、国会議員でも、例えば財政規律派の与謝野馨さんのような人物も入れて欲しかった気がします。

ちなみに前述の高橋洋一氏も登場しています。

本書の結論は、「破綻するかどうか分からないが、財政健全化はすべきでしょう」というスタンスだと思います。いろんな意見を知りたいという方にはおすすめです。

いざ財政破綻が現実のものになってしまったらどうなるかも書かれています。


野口悠紀雄

次に、「超整理法」でもおなじみの経済学者、野口悠紀雄氏。野口さんは財政問題をかなり懸念しておられるようで、「日本は氷河に向けて進んでいる」と書かれています。


ただ私は同氏の本はまだ熟読していないので、根拠などは詳しく知りません。

それから、これも詳しい書名などは忘れてしまいましたが、岩波のジュニア向けの新書なども立ち読みしました。経済学者が書かれており、内容は信頼できるのですが、財政破綻はありうるのかという点については、「あるかもしれないので建てなおさないといけない」という程度で、踏み込んではいませんでした。

次に、これは本ではないのですが、以前に日本経済新聞(日にち不明)で経済学者にアンケートを取った結果が付いていました。それによると、確か6割強の学者が一番懸念している事項が、財政問題だったと思います。

さて、これまで書いてきたように、国債や日本の財政破綻を考えるうえで「この本は素晴らしい!」という本はなかなか見つからなかったのが現状です。


小黒一正

しかし、私が最も信頼している本があります。日経プレミアシリーズの「2020年、日本が破綻する日 危機脱却の再生プラン」(小黒一正著)です。

タイトルは衝撃的ですが、内容は非常に充実していて、また信頼できます。

本書は、一橋大学の准教授が書かれたもので、小黒さんは「世代会計」の専門家です。

私のような経済畑でない人間でも読めるように、なるべくわかりやすく、具体的に書かれています。

本書については当サイトでも今後詳しくご紹介したいと思いますが、現在の財政の問題点、財政破綻はないとする楽観論や経済成長重視の上げ潮派の問題点、日本は具体的にどうすれば財政危機から脱出し、また経済成長もできるのかということがしっかり書かれています。

そのため、私が最もおすすめする本です。

Pocket

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)